This Bug

昨夜のAOBA NU NOISEにお越しの皆様、ありがとうございました!焼き鳥屋(とは言え、鶏肉はネギ間しか食べていないのだが)で飲んでから行ったお陰で絶好調でした。あのイヴェントは酒入ってると3倍くらい楽しいなあ。

ということで昨日は楽しいイヴェントだったのだが、前の日には、今回のイヴェントでのDJ時間が30分、しかも私たちEVOLは2人組なので1人15分、という悲しみの持ち時間だったので正直うわあきっついなあ、と軽く凹んだのだった。しかし、当日朝起きて掃除していたら、「大人なら制限ある中で最大限楽しんでベストを尽くすべきなんじゃないか」という不気味なポジティヴィティがむくむくと頭を擡げて来て「15分しかないなら15分という時間を最大限にやったろじゃないか」となった。

結果選曲しておいたレコードを全て棚に戻し、「15分でいかに多くの曲をかけられるか」ということに力点を置いて、2分台、1分台、下手すりゃ数十秒の曲ばかり選んでいたらかなり盛り上がって、結果持ち時間30分の中でめちゃくちゃにたくさん曲をかけたのだった。まあ、お客さんも楽しんでくれたみたいだし、後から、日頃実に珍しいことなのだが「とても良かったです」とか声かけられたくらいにして、何が起こるかわからんなあ、という思いと共にやはり前向きにやってみないといけないのだな、としみじみ感じたのであった。

大人だからってしょぼくれてばかりではいけないのだ。たまには私のようなネガティヴな人間でも突如としたポジティヴィティを発揮すると、結構良い感じになるのだなあ、と非常に充実した気分になったものである。

ただ、かけたのがNaked CityだのKicking GiantだのThe RoostersだのDead KennedysだのSwell Mapsだのという血も涙もない感じで、しかもビール投入していたからかなり爆音だったと思うわけで、そこら辺は大人としてどうなのか、という点で大いに疑問が残るのだった。

今日も大人気なくSilverfishの「Organ Fan」を聴く、って今このバンドを覚えている人間はこの世のどこに存在しているのか。92年にCreationからリリースされたアルバムである。Creation以前にも何枚アルバム出してたんだっけ?あまり記憶は定かではないが、今作がラストアルバムであるのは確実である。かなりへヴィなギターに激パワフルな女性ヴォーカルLelie Rankineの声、というのがこのバンドの看板だったわけである。このJ.G. Thirlwell、つまりFoetus先生プロデュースのNY録音のアルバムでもそこら辺は実によく出ている。あ、エンジニアはMartin Bisiなわけで、布陣としては間違いない。ということでガンガンにラウドでリフがグイグイ引っ張っていく曲だらけの全11曲である。でも、イマイチ、がーんと抜ける感じではない。それは多分に何だかもたつくドラムスのせいでスピード感が大分殺がれてしまっているせいなのだろうと思うのだけれども、何だか勿体無い感じなのである。もしかしたら世のグランジブームとかそういうノリでもっともっとブレイクできたかも知れないのに、ということであっけなく次の年あたりに解散して、ヴォーカルのLeslieはRubyなる所謂トリップホップな感じのユニットを始めたりするのである。いまだにやっているらしい。ということでCreationのカタログの中でもかなり地味な存在で、リアルタイムでなければ多分誰も後追いして聴いたりすることもない作品、バンドなのだろうけれども、何だか私は愛らしく思えて今日もこうやって聴いているのであった。