Colchester

世間的には3連休だったようである。

実に良い話であるが、私は3連勤だった。そしてこのまま週末まで休みはない。何か全国的には水の事故が相次いでいたようで、水に入りたくなるような気候だったようである。しかし、我が街では何だか肌寒く雨もしとしと(というかじめじめと)降りやがる気候だったので、俄かには想像がつかない。

そして水の事故ならず昨日、連休の中日には車の事故も多く見た。しかも結構車がひしゃげるような衝撃が大きかったと思しき事故ばかりである。事故にあわれた方の無事を祈るばかりであるが、最近J・G・バラードの『クラッシュ』クラッシュ (創元SF文庫 ハ 2-11)を再読しては盛り上がっている日々だったので、どうにもこうにも意味もなく色々考えをめぐらせてしまって、不謹慎この上ないことであるが、まあ、仕方がない。

話が大幅に逸れている。そう、3連休が3連勤、の話である。私の場合基本土日が休みであるが、実質的に日曜日のみが休みである。そんな中での連休というのは実にありがたいのだが、そこに見事に出張が2つも入ってきたわけである。「自分の仕事のためのスキルアップならば休みくらい潰しても構わんでしょー」的おこがましい意見があるかも知れないが、そういうこと言っている人間は犬に食われて死ねよ、もしくは一生休みなく働き続けてスキルアップしながら過労で死んでしまえ、とか言いたくなるわけである。

何だか大荒れだが、結局休みだからと言ってこれと言ってすることもない人間だから、さほど大きな影響は受けていないのが実情である。それも何だか悲しいが、その「何もしない」ということの有り難味を身に染みて知っている私だからこそ、こんなに荒れているのかも知れない。まあ良い。

しかし最近何だかNag3の更新が覚束ない感じで非常に申し訳なく、ピリッとしたいところである。Z'ev VS PITAの「Colchester」を聴こう。メタルパーカッションで御馴染みZ'EV先生とMegoの主催者PITAの共演ライヴの音源化である。2人の共演ライヴをミックスしなおしたりして作品化したものであるらしい。PITAと言えばKTLでのStephen O'malleyとのコラボ以来俄然気になっているのだが、この作品でも非常に幽玄なサウンドスケープを作り出し、時にラウドに、時に静謐にラップトップからのノイズで音空間を支配している。しかしその一方でZ'ev先生の打つ楽器群も相変わらずのテンションで、ラップトップから出されるノイズと共鳴しあう残響やら、時に高い音を連続で叩き出した後には地を這う低い音を打ち鳴らし、と流石の存在感なわけである。メタルパーカッションとラップトップからのノイズが共に盛り上がって、キンキンの音の塊に向って1つになっていく様はまさに圧巻である。一時期「音響」とかいうジャンルが持て囃されたわけであるが、この作品で聴かれる音は正しく、打楽器とラップトップからの音が共に響きあう様のドキュメントであり、何だか「音」が目の前にたち現れ、そして共に得体の知れないものに変わっていく様を見せ付けているかのようなものなのである。爆音で聴くとかなり盛り上がる、そういう音響ドキュメント作である。

(ちなみに商品リンクは一番上です。)