Teenage Riot

昨日は激烈な眠気のせいで更新できませんでした。

まあ、最近更新してもしなくても良いようなグダグダのNag3が続いているわけであるのだけれども、果たして今までグダグダでない時があったのだろうか、という疑念が頭を擡げてくる。啓蒙しようというのでもないし、単に日常を綴っているわけでもない。心に浮かぶ由無しことを単に書き散らかしているわけであるから、グダグダでない方がおかしいのである、このNag3は。

大体にして私の日常など綴ったところでビールと音楽のことしかないわけである、大雑把に言うと。果たしてそんな奴の日常を世界に向けて発信したところで何が面白いのか、と言う話であるから今日は『ハルチン』についてである。第一巻はほぼリアルタイムで読んでいたのであるが、実家の部屋の整理とか引越しのどさくさで消えてしまって久しかったわけである。魚喃キリコの漫画である。

彼女の漫画と言えば『痛々しいラヴ』痛々しいラヴ (Feelコミックス)に止めを刺す、といまだに信じて疑わない私であるが、その時が静止しているかのような、そして触れたら手が切れそうな画風と「何もそこまで・・・」というほど痛い「愛」の話ががっつりつまったその本の後に出たのがこの『ハルチン』である。これが異常なまでに(そう、彼女の他の作品と比べれば、「異常なまでに」、だ)軽く楽しい、所謂「ダメ」だけれども憎めないハルチンを主人公に据えた、くすっと笑える漫画なわけである。最初に単行本化されたのが約10年前であるが、多分女性だったら凄く楽しめる、だけども私のように男性でもとってもとっても楽しめる漫画であった。

それがこのたび10年の歳月を経て第二巻が発売されたハルチン 2わけである。ついでに第一巻も復刊されたハルチンようで、私のように元々持っていた第一巻が行方知れずになってしまった人間にとっては大変に喜ばしい出来事である。で、この第二巻であるが、相変わらず面白い。そもそも連載自体も不定期ながら2005年くらいまでは続いていたようであるが、時が流れようとも何ら変わらぬハルチンの間抜けぶりには、そして第一巻に於いては彼女のカウンターとして存在しえていたチーチャンの、この第二巻に於ける、あたかもハルチンに引っ張られてしまったかのような零落ぶりには、第一巻に勝るとも劣らない勢いで一気に引き込まれてしまうのであった。

しかしふと思えば、ハルチンも最初の10年前の時点で確か23歳とか紹介されている。ほぼ同年代である。今、そのハルチンが10年後に30代前半になり、どんな日常を送っているのか知りたいものだ、とか思えてくるのもこの漫画がどれだけ人懐っこいものなのかの証明なのだと思う。最近あまり魚喃キリコの漫画を読むこともなくなり(それどころか、読む漫画自体がかなり限られてきたり)していた私であるが、久々に触れた『ハルチン』1,2にはクスリとさせられ凄く楽しめたのであった。

Sonic Youthの「Daydream Nation」をここ最近何故か聴いている。88年リリースの彼等の代表作、それのデラックスエディションである。これ以降メジャーに移籍する彼等がインディ時代最後に残した作品でもある。リアルタイムで聴いていた作品であるが、こうしてまた20年くらい経っても当時と変わらぬ勢いで興奮できるのには少し感動を覚えたりする。何よりも曲が曲として強度を持ち、それに対して一斉攻撃しているかのようなフィードバック混じりのギターの音には否応なしに血が熱くなる訳である。リリース当時アナログ2枚組というヴォリュームたっぷりの作品だったのだが、一気に聴かせてしまう構成も見事である。また、他のどのアルバムと比べてもどことなく開放感に溢れた曲が多く、凄く親しみやすいし爽快感すら覚えるのであった。加えてこのデラックスエディションにはライヴ音源やデモ音源、トリビュート作やシングルのみで発表されていたカヴァー曲などが追加されていてオトクである。特にこのライヴが、嗚呼これだよなー!と思わず盛り上がるテンションの高いライヴ音源で、これのためだけでもデラックスエディションの意味があるのう、としみじみするのであった。これ以前もこれ以降も勿論大好きなのだけれども、このアルバムが1つの境目になっていることは間違いない、そしてジャケの素晴らしいリヒターの絵も含めて、やっぱり名作なのである。