I'm Not Gonna Teach Your Boyfriend How To Dance With You

さすがに日頃無神経で、あまり周りのこと、ましてや環境のこととかにまで頭がまわらない私であっても、この写真のようにアナログレコード1枚を送ってくるのにこういうどでかいパッケージだと、ちょっと過剰包装かのう、と思ったりするのであった。

まあ割れて送られてくるのはもっと困りものではあるが、もうちょい何か策を講じたほうが良いのではないだろうかamazonさん、と思うのだった。Black Kidsの「Partie Traumatic」を聴く。アメリカのインディバンドのデビューアルバムである。まず何よりもデビューシングルで思いっきりぶっ飛ばされたのでアルバムも大層楽しみであった。まあ待望の、と言う奴か。プロデュースがいつの間にか激売れっ子になっていたBernard Butlerが手がけていて、そこら辺も話題なのだろうが、何よりもこのいなたさが実にたまらない。何回聴いてもドラムスとか若干もたっているように聴こえたり、音の具合にしたって、もっさりしている。しかし曲がYo La Tengo級、とか言うと語弊があるのかも知れないのだが、そうも言いたくなるくらい粒揃いで、必ずどこかに泣けるリフだったりコード展開だったりメロディだったり、が潜んでいるから侮れない。男ヴォーカルのひ弱っぽい、というか高めの声質もこの何だかもっさりしながらも80年代ディスコ的にグルーヴする楽曲とマッチして、結構中毒性が高い。ということで大満足のデビュー作ではあるが、ちょっとだけ気になるのはこれ見よがしに入ってくるチープなシンセ音とハンドクラップ音であろうか。ちょっとわざとらしいのである。何もこういう音を無理に入れなくても十分にチープ(風味)ながらもディスコティークなこのセンスは伝わってくるわけであるからして。と思ったりもしたが、この中毒性の高いポップソングがぎゅっと詰まった世界は見事、の一言である。この哀感は一体何なんだろう、と思わせられるくらいに楽しいだけではない、哀愁漂うディスコポップ的ロックンロールアルバムである。曲によってはPhoenixとか想起させられたりするわけだし。