I Am The Cosmos

昨日のAOBA NU NOISEにお越しの皆様どうもありがとうございました!いやーあの裸族の群れは凄かった。客が面白いイヴェントって大事だなあ、と痛感。EVOLは何だか最近不気味に息の合った感じが面白すぎるのですが、相変わらず酷いといえば酷いですね。

ということでこの間久々に中古レコード屋に行き、長年探していたFrazier Chorusの「Cloud 8」Paul Oakenfoldリミックス12インチを格安で発見!ついでにRenegade Soundwaveの「In Dub」プロモ12インチまで発見、という90年代初頭から抜け出せない買い物をしたのだが、お会計の際、顔見知り、というほどではないが若干覚えられてる感じの店主に「君さあ、Frazier Chorusってどういう感じだと思って聴いてる?」という物凄い質問を受けた。って言うかこの2008年にFrazier Chorusについての会話があるだなんて、多分世界中であそこだけだと思う。というか、そんなによくお互い知っているわけでもないのに、いきなり店側からFrazier Chorusについて聞かれるだなんて、俺もでっかくなったものだ、と思った。

まあ、その内容は別にどうでも良いのだが、1つだけ言えるのはこういうやりとりがあったり、人と人とのつながりがこうやって(たとえネタがFrazier Chorusであったとしても)あるわけだから、レコード屋とかCD屋とかはなくなってはいけない、と思うのだった。そのためにも支えなければいけないのだ、という思いを強くしたのであった。

その前に誰か私を支えて欲しいものだ、とか思うのだが。そして上記のように言いながらもamazonに今日注文したりしている私であるが。ま、まあ要はバランス、ということである。

だからそのFrazier ChorusのTim Freemanも参加したThis Mortal Coilの「Blood」を聴く。4ADレーベルオーナーIvoの、と言うか4ADオールスタープロジェクト、1991年の3枚目にしてラストアルバムである。ファーストは物凄い大ヒットをかました名作であるが、その後どうしても地味になった感は否めないこのプロジェクトである。しかし、作品のトータリティ的にはこの作品がまさに最高峰であり、4ADレーベルのサウンド、という点に於いては真髄なのではないだろか、と思うのであった。相変わらずのカヴァー曲とオリジナル(ジングル的、というかインスト、というかコラージュというか、な曲ばかりであるが)による構成であるが、どの曲も異常なまでに(そしてベタなまでに)叙情的な仕上がりになっていて、何だか耽溺するにはもってこいの深さを持った曲ばかりになっている。参加メンバーはShellyan OrphanのCaroline CrawleyやAlison Limerick(意外かも知れないが前作から参加している)、The Breedersに当時2人とも在籍していたKim DealにTanya Donelly、そしてサウンド面の要にはMarc Almondの片腕であり、Siouxsie And The Banshees、Therapy?のメンバーでもあったMartin McCarrickがおり、とある種の層には猛烈にアピールする面々ばかりである。で、カヴァーしている曲もGene ClarkにSyd Barrett、Chris BellにThe ByrdsにThe Rain Paradeとか、やっぱりそういう感じか、という曲ばかりで、それまたある種の層に猛烈にアピールしてくる。と言うか私なぞ後から色々聴いて、あらこの曲知ってる、とか思ったらThis Mortal Coilにカヴァーされている曲の原曲だった、というのがめっちゃくちゃな頻度で起こったりしていたので、やはり個人的にもとても大事なユニットだったんだなあ、としみじみさせられるのであった。いや、それにしてもこんなに(ある種)ヴァラエティに富んだカヴァー曲ばかりなのにばっつりと己の色に染め上げてしまうこの揺るぎない一貫性には頭が下がる。