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MELLOW BEATS meets FREE SOUL 2008.5.16(Fri)@SHAFT open21:00 ADV: \2500(Drink別)DOOR: \3000(Drink別)

Special Guest DJ: 橋本徹(SUBURBIA)、山下洋(WACK WACK RYTHM BAND)
DJ: Bossa★Da (SWINGIN' JACK)、MIWA (3*1)、tdsgk (Harlem Shuffle)、tt(Harlem Shuffle)
SWEETS: Cafe SUNNYDROPS

よろしくです!

日頃、音楽は家でも1人で聴いている私である。

一応同居人がいて、まあ、彼女も音楽好きではあるのだけれども、人の好きな音楽を(たとえかけている側にそういう意識がなかったとしても)無理やりに聴かせられたりする、というのはまあ自分は喫煙しないのに他人の煙草の煙を吸わせられるようなものに近いのではないか、と私は推測するので、やっぱり落ち着かないのである。1人で聴いている時の方がずっと集中できるのだし。

しかし、それでも止むに止まれぬ衝動というのは突然に襲い来るものであって、今日は突然同居人もいるのにBauhausの「She's In Parties」を12インチで爆音で聴いた。突然聴きたくなって、しかも聴かなきゃ死んでしまう、くらいの強烈な衝動に駆られたのでしょうがない。

まあ、それがよりによってBauhausのラストシングル、というのも何だか己の業の深さを感じるのだけれども、たまにだったらこういう副流煙的な音楽も気にはならないのではないか、と信じたいものである。でも一応「今からBauhausってバンドを爆音で聴きたいのだけれども良いですか」とお伺いを立てる私は、何だか大物にはなれないような気がしてきた。

そんな禍々しい予感は振り払って木村カエラの「+1」を聴く。リリースペースが好調すぎて、ある意味不気味な彼女の4枚目のアルバムである。去年は仙台のバンド以外では2つくらいしかライヴを見ていないのであるが、その1つが彼女のライヴであった(もう1つはCoaltar Of The Deepersってのがまた)。ということは、あんなにツアーして、ガンガンシングル切って、色々プロモーションもやって、で毎年1枚アルバム出しているわけだからすげえなあ。で、この新作であるが、実にシェイプアップされた、凄く小気味良いアルバムである。彼女のアルバムは思えばファーストセカンドではなんだか曲のテンションがバラバラで、なかなか1枚のアルバムの中でのペースというものを掴み切れなかったものである。それが昨年のサード辺りでは結構まとまってきて、ここに来てギュッと本当にまとまりの良いアルバムが出来上がってきたのである。まず何よりも曲が全て小気味良いアップテンポのナンバーで統一されているから、しかもからりとしているから、途中でダレたりせずに一気に13曲聴けてしまうのであった。彼女の歌詞に昔感じた強烈な違和感も今では全くなくなり、これは私が慣らされた、というよりは多分非常におこがましいのであるが彼女が成長した、とかそういうことなのかも知れない。Farrahのカヴァーもまたあって、奥田民生にアイゴンに高桑圭にミトに、とか豪華な作曲陣もその豪華さだけがウリなのではなく、しっかりとそれぞれの仕事をこなしている感じがする。しかし特筆すべきは石野卓球の曲であろう。以前だったら半端な打ち込みナンバーは浮いていたはずなのに、このがっつり4つ打ちのエレクトロポップナンバーは不思議なことに全体の中で浮いていない。寧ろ良い意味でアクセントになりうるような、そういう楽曲強さがあるからだろう、とまたしても偉そうに思うのだった。もうちょいペース落としても良いですよ、とか言いたくもなるのだが、それはつまり彼女の活動が乗りに乗っている、ということの表れでもあると思うので、その声は飲み込んでおこう。