Gloomy Sunday

MELLOW BEATS meets FREE SOUL 2008.5.16(Fri)@SHAFT open21:00 ADV: \2500(Drink別)DOOR: \3000(Drink別)

Special Guest DJ: 橋本徹(SUBURBIA)、山下洋(WACK WACK RYTHM BAND)
DJ: Bossa★Da (SWINGIN' JACK)、MIWA (3*1)、tdsgk (Harlem Shuffle)、tt(Harlem Shuffle)
SWEETS: Cafe SUNNYDROPS

よろしくです!

自分は正しい、と何も考えずに思い込む人間の、それはもうムチャクチャで強靭な確固たる信念は、およそ常人では理解しがたい。だからこそ「無理が通れば道理が引っ込む」という諺があるのだなあ、としみじみ思う昨今である。

でももしかしら世の中良い目を見るのはそういう連中なのかも知れないな、とか思うと本気で悲しくなってきて中原昌也みたいな気持ちになってきてしまうので、コレはイカン。そういう連中を撲滅することをとりあえずの生きがいにしていこう、と決意して前向きな勢いが生まれるのであった。

ということで前向きになりながら、Diamanda Galasの「The Singer」を聴く。1992年の作品である。基本ピアノ1本と彼女の声、もしくはオルガンと彼女の声、でカヴァー集、の実にシンプルな作品である。この頃の彼女はかの「AIDS3部作」を作り終え、また新たな段階に突入しつつあった頃である。今日車で突如として聴いていたのであるが、やはり痛快である。カヴァー、といえどもこのDiamanda Galasという女性の聴覚、知覚、そして頭の中はどうなっているのだ、と疑わざるを得ない、独創的な解釈のカヴァーばかりで、最早原形をとどめていないような(要素は若干残っているが)曲ばかりである。何だか名曲の骸骨が転がる荒涼とした土地が目に浮かぶような、そういう感じの寒々しい音ではあるが、それでも彼女のドンドンヒートアップしていって最早取り返しのつかないところまで行ってしまった叫びとかを聴いていると、まだまだ捨てたもんではないな世の中、と幸せな気持ちになったりするものである。ブルーズの曲のカヴァーばっかり、というところもなんだか侘しさを感じるものであるが、そんな侘しさというか、半端な情緒の入り込む隙のない彼女の超絶なヴォイス攻撃に身を委ねてみる春の夜である。新作も楽しみなのだが、発売日が何だか遅れているようなのでまだお預け状態なのである。