I Can't Make Love To You Anymore

さておそらく皆様昨日のNag3に於ける私の「美容室に電話するぞ宣言」のその後が気になっているに違いない、と思う。

いや、そこまで尊大なスタンスで行かなくても良いのだが、今日電話してみた。そうしたら「予約が来週の水曜日まで無理です」だそうであるわはははは。

その時期には私の休みは終わっているのでちょっと無理めである。ということはである、この伸びまくった髪の毛が生えている頭を抱えて生きていくしか道はない、ということである。いやこれはちょっと困った。困ったが他の店で切るというのも何だか最近ではこれっぽっちも想像がつかないので、またチャンスを窺うしかない、ということが決定である。

ということでこの何だか伸びまくった髪の毛をアレンジすべく、明日にでも整髪料を買ってきてヘアスタイルで実験をするしかないであろう。ダイエースプレーとかってまだあるのだろうか、と突然思い出した。Buck-Tick御用達のアレである。アレをイギリスに持ち込もうとして入国で一悶着あった、とかいう話を当時の雑誌で読んだなあ・・・。

などと突然思い出すくらい途方に暮れている今日であるがFeltの「Me And A Monkey On The Moon」を聴く。1989年にelレーベルからリリースされたラストアルバムである。いまだに謎なんですが何故このアルバム、Creationを離れてelからのリリースだったのですか?誰か教えてください。まあ別に今となってはどうでも良いと言えばどうでも良い謎ではあるが。このアルバムは何だか全てを達観してしまったような、そういう彼岸の穏やかさすら漂うゆったりとしたアルバムである。Feltと言えば初期はMauriceのさざなみギターが、そしてCherry Red末期〜Creation期と言えばMartinのハモンドオルガンサウンド面での二大特徴だったわけであるが、このアルバムではそれまでのFeltとは全く異なる感じに仕上がっていて凄く面白い。スティールギターまでも導入し、ゆったりとしたカントリーテイストを感じさせるナンバーからクラヴィネットやらシンセやらの音が飛び交う今までなかったタッチの曲まで、Lawrence御大のヴォーカルやら曲作りは今までと全く変わらないはずなのに、何だか今までとは違うFeltの姿が見えるアルバムである。だからこそ解散の報を聞いて当時15歳の私は驚いたものである。この後のFeltに対する期待をどうしてくれるんだよ、みたいな憤りもちょっとあったようにも思う。まあ、別に今となってはどうでも良い話ではあるのだけれども。しかしどの曲を聴いても、どこをどう聴いても名曲しかないアルバムだなあ、と今でも思えるアルバムである。何よりも今まで篭っていた空間を突破したような、そういう晴れやかな開放感が漂っているところが良いのである。ちなみにプロデュースはThe Soundの故Adrian Boland、という実に渋い人選で、そしてゲストにはPrimal ScreamのRobert YoungにPeter AstorにRose McDowell、という実にある意味豪華な名前が並んでいるのだった。