のら犬にさえなれない

2008/03/25(Tue) -W- Monthly EVENT "AOBA NU NOISE+ZU Japan Tour"@SHAFT OPEN: 19:00~25:00 TICKET: ADV:2000yen(2Drink) / DOOR:2500yen(2Drink)

Guest BAND act: ZU, にせんねんもんだい
BAND act: -W- (waikiki champions), runny stools
Guest DJ: Casin (Gift Gimmick)
DJ's: EVOL(LOVE RECORDS), Masaya Omote

よろしくです!

日本の春はとても良い季節である。

まあ、最近では花粉症のお陰でそんなに良い季節でもないんじゃねえの、と思われる方々も多いように思うが(幸いにして私は花粉症ではない。年がら年中鼻炎なのではあるけれども)まあ気候も良くなってくるし、過ごしやすい季節であることには変わりないと思う。しかし日本では4月から大体が新しい年度の始まりになるわけで、色々環境が変わる人も続出するものであろう。そうなってくると、どことなく寄る辺ない思いに駆られるのではないであろうか。

かくいう私も変化を嫌う保守的な人間なので、この季節がどうも苦手なのである。慣れてしまえばある程度どうだって良いや、となるものの、どうしてもこの時期、「新しいスタート」という前向きな気分よりは「新しい環境への不安」に駆られる。別に環境が激変するわけでもないのに、である。思えば毎年そうだった。多分小学校低学年の頃からその不安を感じていたのではないか、と思われるので結構な間、その不安と共に春を迎えていたわけである。しかも何だか気候が良い感じだから尚更なんで自分はこんな不安を抱えているのだ、というやり切れない思いも募ってきたりして悪循環である。

でもそんな季節であるからこそ、春は逆に、変わらぬものへの自分の思いを再確認できたりする季節でもあるのだ。それは友人だったり、ロックンロールだったり。毎年そういう変わらぬものの有り難味は増すばかりである。

だからThe Street Slidersの「Hot Menu」を聴く。98年にリリースされたCD2枚組のベスト盤である。結構20年くらい前は、今と違って地上波でも色々日本のバンドのPVやらライヴやらを見ることができたものである。私も結構彼等のライヴとかPVとか見たものである、「ez」とかで。だから結構彼等の音楽には親しんでいたのだが、今回ざーっと聴きとおせるこのベスト盤を聴いて思ったことはただ1つ。いやー最高すぎる!初期の、本当に簡素で2本のギターのリフの絡みで曲を作っているような、不良っぽい、荒っぽいロックンロールバンドが、鍵盤やらブラスやら入れて、色々な実験をしつつグラマラスな、そしてどっしりとしたロックンロールバンドになっていく様が手に取るようにわかるのである。しかも彼等の場合基本に全くブレがないから小手先の細工になっておらずに、逆に「ブルージーなロックバンド」としての魅力を際立たせる効果的な道具を着々と手に入れていったのだなあ、としみじみ感じる。ハリーのぶっきらぼうなヴォーカルも、ずーっとぶっきらぼうなままなのに段々と色気を増しているように聴こえたり、また外部プロデューサーとか外国人エンジニアを積極的に起用していったら音が如実にぶっとくなって迫力満点(とくにドラムス)になっていたり、結構2枚通して聴くと感動できる。また、「感動」という点から、言えば実にシンプルな言葉の重なりばかりなのに、何故か突然胸に突き刺さるフレーズが出てきたりする歌詞も、この歳になってみると泣けるんだなあ。私は80年代中〜後期、ちょうどアナログからCDへと移行していく時期の彼等の音が凄く好きなのだが、この時期の勢いみたいなものは本当に凄い。蘭丸も「堂本兄弟」とかでギター弾いてる場合じゃないんじゃないか、とか思ったりもするが、まあ時は流れるものである。