Bizarre Love Triangle

2008/03/25(Tue) -W- Monthly EVENT "AOBA NU NOISE+ZU Japan Tour"@SHAFT OPEN: 19:00~25:00 TICKET: ADV:2000yen(2Drink) / DOOR:2500yen(2Drink)

Guest BAND act: ZU, にせんねんもんだい
BAND act: -W- (waikiki champions), runny stools
Guest DJ: Casin (Gift Gimmick)
DJ's: EVOL(LOVE RECORDS), Masaya Omote

よろしくです!

私はあまりモノには拘らない人間だよな、とか思ったりするのである。そりゃあ靴とか時計とか、そこら辺はさすがに気に入ったものが良いな、とか服もみすぼらしくない感じならば良いな、とか思ったりするが、ほらいるじゃないですか、使うペンからライターから何から細部まで何か拘りがある人って。否、別に否定したり揶揄したりしているわけでは全くなく、ただそういう感じではないなあ、私は、ということなのである。抜くところは抜く感じであろうか、別に意識してやっているわけではないのだけれども。

実はレコードに関しても、とか書くと方々から嘘をつけ、と怒られそうなので止めておこう。でも、意外にあまりフェティッシュな拘りはなくて、まあ、そりゃあMaximum Joyの99盤とY盤があったら両方欲しくなったりするけれども、まあ、CDがあればCDで、とかそういう感じだし、とくにUK原盤を大枚はたいて、とかそういう風にはあまりならないのである。それは金額との兼ね合いの問題が大きいのかも知れないけれども、基本あまり拘らず、聴ければ良いね、とかそういう感じである。恐らく所謂マニアというかコレクターの方々に比すれば、全然、と言っても過言ではないかも知れない。

しかしNew Orderの「Brotherhood」を聴いている。86年リリースの4枚目のアルバムである。結構地味な存在のアルバムだと思う、彼等のディスコグラフィの中では。Joy Divisionの亡霊そのままのファーストに、脱却を図って見事に成功したセカンド、エレクトリックなダンスビートびっしばしのサード、どポップな5枚目、とか考えて行くとやっぱりこのアルバムは地味な感じかも知れない。リリース当時はJoy Divisionの影が復活、とか言われたものだが、そんなことは全然なく、前作に於けるエレクトリックビート全開の作風に比べるとギターやらベースやらドラムスやら、という楽器の存在感が増し、中にはアクースティックギターの響きが印象的なスローなナンバーもあったり、バンドサウンドNew Orderが楽しめる、という意味では一番の作品なのではないかと思う。途中歌いながら笑い出す曲まであって、結構ユルい感じではあるが、彼等の特徴であるあの病的なまでに美しいメロディはほぼこの作品で完成していると思うのだ。きちんとダンスビートが立ったナンバーもしっかりと入っているし、意外に彼等の他の作品とか、シングルとかしか聴いたことなかったら意外な面が見れた感じでとても楽しめるのではないだろうか、と思うのだった。

さて、何故上で「しかし」と冒頭に置いて「拘りがない」ということに対して逆接しているのか、と問われれば、実はこのアルバムはUK原盤でなければならないのである。勿論アナログ盤で。CDは持っている、中古で入手した。しかし何故UK原盤でないとダメなのか、と言えばジャケットの材質が問題なのである。UK原盤は銀色を塗った上に上記のジャケットの色を塗っているので自然に剥げた部分から銀色が顔を出し、実にメタリックな質感を持っているのである。ジャケ自体の色もUS盤とかCDと比べても違うのである。だから中古盤屋でUS盤を安く発見してもダメなのである。たとえ日本盤の解説が今野雄二先生であってもUK原盤でなければならなかったのである。それを実は今日購入できたのである。で、その入手した充足感が予想以上に大きかったので、実は意外に自分はモノに拘りあるのかも知れない、とか思った次第である。いやいや、マニアとかコレクターと呼ばれる方々に比べれば、とかいまだに思ってはいるのだが、客観的に見てもう十分すぎるくらい拘っているのかも知れない。

しかも実はこのUK原盤、20年以上前に買って持っていたのだけれども、CDを入手したから良いや、と馬鹿な若かりし自分は手放してしまったのであった。その馬鹿な昔の自分をぶっ飛ばしてやりたい衝動を抑えつつ血眼になって探してやっと入手できた、というわけで感慨もひとしおなのであるが、冷静に考えてちょっと病気っぽいかも知れない、と思ったのでここらへんで止めておこうではないか。あ、待って、引かないで!