A Rest

何だか平日の日中は凄く長くてこんな1日とっとと終わっちまえば良いのにな、と心から願っているものだ。

しかしいざ夜になるとテレビでピエール瀧が「New Orderのファーストシングルが『Blue Monday』」とか言っているのに対して「『Ceremony』だべや!」とかツッコミ入れたり、春キャベツをパスタが茹で上がる1分前にその同じ鍋に投入して色鮮やかに仕上げたキャベツのペペロンチーノとか作っているともう1日が終わり、ってのはどういうことだ、となるのだ。

Sightingsの「Through The Panama」を聴く。ブルックリンの3人組の6枚目のアルバムである。プロデュースはAndrew W.K.なのであるが、実は彼は今要注目のプロデューサーなのである。今度はLee Perryのプロデュースをやったりするらしいし、あのハードロック兄貴の姿とか「そんなの関係ねえロック」の彼は、あくまで彼の一面にしか過ぎないのである。実は今一番ヤバイ人間であるに違いない。それはそれとしてこのアルバムであるが、音の強度的には最近聴いた中ではぶっちぎりである。とりあえずものごっつい強度のノイジーな音である。その強度の音がビートもあやふやなぐらいにエディットされて、ドラムの乱れ打ちが乗っかって、更にその上にヴォーカル乗っけた曲とか、何気に延々ループが鳴っていてその上にやたらごっついノイジーな上物が乗っかって、更にヴォーカルが乗っかって、みたいな、パターンが多いであろうか。そう、このヴォーカルのお陰で、本来ならば物凄くインダストリアルのりで混沌としたカオス音楽になっていてもおかしくない(いや、実際なってるか)筈なのに、不思議とまとまって聴こえるのだった。メンバーはミニマルテクノと「Killed By Death」シリーズとEinsturzende Neubautenの「Kollaps」Kollaps [12 inch Analog]に影響を受けたらしく、まったくもってなるほどー、と納得せざるを得ない音楽になっているのであった。何かこう、割り切れなくなったLightning BoltにEinsturzende Neubautenの「Tanz Devil」が特攻したような、若しくは泥沼に落っこちてぐちゃぐちゃになったNine Inch Nailsみたいな感じに聴こえなくもない。あ、昔実際泥まみれでNINはライヴやったりしてたな・・・。まあ、それは置いておいて、たまにはちょっと焼肉でも食って元気出してこうか、という不気味な前向きな気分にさせられたりする音楽に聴こえるのはアレか、病んでるのか自分。