Rush

実は最近結構真剣に色々考えていることがあって、それは結構大変なことだったりする。

そうなってくると人間ふさぎ込みがちになり、自分1人ではいかんともしがたいことなのに、何だかがんじがらめになった気分にさせられるものである。

でもそんな鬱々としているのはアレなので、解決にはならないものではあるが何かこう気晴らしを、ということで気のおけない人々と話したり飲んだり、音楽を聴いたりするわけである勿論。

ということで、ちょいと弱りがちだからなあ、とか思いつつぼんやりスカパーを見ていると色々なJ-popの前向きな新曲が流れたりするわけである。なるほどこういう曲を聴いたら意外に気晴らしになったり応援されたりするのかな、とかステレオタイプなイメージのことを思い浮かべつつ、歌詞に耳が行く。これは物凄い勢いで励ましている、まさに応援歌のような曲である。そうか、こういうので励まされたりするのだな。

とストレートに最初は思ったのだが、全く励まされもしなければ何も起きない。逆にふざけんなよ、とかそういう気になってくるのには参った。歌詞が勢いあって勇ましく励ましたりする曲って、本気でなんだか弱っている時にはまったく心には入ってこないものなのだなあ、と痛感した。何だか薄っぺらなのだな。寧ろそんなこと百も承知だよ今更ガタガタこっちに言ってくるなよ、とかそういう気持ちになってくるものである。逆効果も良いところで更に何だか心が荒廃してしまったりしたのだった。

まあ本当に心に響くものはそうお手軽にやすやすとはこちら側には提供されないわけか。しかし中にはこういう歌詞の曲を応援ソングと解釈している人々だっているのだろうから、あまり断言するのはどうかと思ったりするのだが、元気な時に聴いて元気になれるような曲、ってのは本当の元気、弱っている時に元気を与えてくれたりするわけではないのだな、ということがわかっただけでも収穫だろうか。

Leo今井の「Fix Neon」を聴いた方がとても心が落ち着く。スウェーデンと日本のハーフである彼の、メジャーデビューアルバムである。先行シングル2タイトル聴いた時には、凄く良い、と思うのと同時に何だか変だな、というモヤモヤが拭えなかったわけであるがこのフルアルバムでの全12曲というがっつりとしたヴォリュームで聴くと、なるほどその違和感も全て取り込んでいく勢いが彼の音楽の魅力なのだな、とわかったのであった。何だか歌詞とか日本語の発音の仕方とか譜割りとか、そういうところの違和感とかでおや、っとなるわけであるが結局それが見事にフックになっているのだから凄いものである。また、全曲優しく、そしてゾクゾクくるようなメロディの連発で大層落ち着くのであった。何だかここ最近あまり耳にすることのなかった(大雑把に言えば)80年代のUKポップスのようなこみ上げ系メロディなわけである。嫌いなわけないではないか、と。そして彼の男臭い美声ヴォーカルで歌われるとそれはそれは、強烈なものである。バックにもZazen Boysの向井・吉田やら54-71のBoboやらJames IhaやらTicaの石井氏やらKenji JammerやらKUDOやらという、何だかとんでもなく豪華な面子が揃っているわけであるが、それに負けていないのがLeo氏の歌声にメロディなわけである。こういうクセがあるのにポップ、というのは結果的に物凄く強烈なインパクトを残すのだなあ、とか冷静に聴いたりもしていたが面倒くさいこと考えずにフツーに楽しめる勢いがあるところが一番の魅力なのだ。