The More You Ignore Me, The Closer I Get

たまにカップそばを食べる私である。しかし長きに渡ってこのNag3をお読みになっている方々は、これが「どん兵衛天ぷらそばあとのせサクサクを食べる」ということと同義である、ということはご存知であろう。

そういうわけでこないだもあとのせサクサクに湯を注ぎ、その間3分、おにぎりを食べながら、きっちり時計を見ながら待っていたものであるが、その、時計をきっちり見ながらという行動は、信じられない、とか適当に見てかき混ぜて食べれば良いのに、とか周りに居合わせた人々から言われる行動のようである。結構若い頃からこの私の行動は、居合わせた人々からああだこうだ揶揄されてきたものであった。

これって何か皆さん、引くようなことなんですか?「3分間」と書いてあれば3分間待つのってダメなんですか?私は伸びた麺が嫌いで、そしてできればベストな状態で食べたい、と願っているので(カップそばではあるが)このような行動に出るのである。そりゃあ2分55秒辺りで蓋を剥がしてかき混ぜるのであるが、大体きちんと湯を注いだら、時計の秒針がスタートする位置を見計らって待つものである。私を揶揄した人々はもしかしたら「カップラーメンだから適当で良いや」とか思っているから「3分間」とかの表示を軽視しているのであろうか。それは大いに思い上がった考えであり、そのような発想を持つ人々はカップラーメンやらカップそばから今に痛いしっぺ返しを食らうはずである。気をつけろ!

って別にそんなにあっつくならなくても良いのだけれども。まあ、私は普通に指示通りにやっているだけなので、揶揄される筋合いはねえよな、とか思うのだった。ちなみに几帳面だね、と言う人もいたのだが、それもお門違いであって、単にベストな状態で食べたい、美味しく食べたい、という食いしん坊の思想がその根底には宿っているのである。

今日も下らぬことをあっつく書いたのだがMorrisseyの「Vauxhall And I」を聴く。何だかベスト盤聴いたらもっと色々聴きたくなって棚から引っ張り出して聴いている。94年発表の4枚目のソロアルバムである。Steve Lillywhiteがプロデュースを手がけ、全英1位になった作品である。これ以前の作品も悪くはないし大好きなのだが、どうしても「インディ出身の人気バンドのヴォーカリストだった男が色々試行錯誤して作ったアルバム」という印象が強い。あのセカンド「Kill Uncle」Kill Uncleでさえちょっとそういう色合いがあったりするように思う。ところがこの作品からは何だかがしっと、ソロアーティストのアルバムです、的な堂々とした風格が漂っている。曲が優しく、繊細でしかも大らかねメロディを持った曲が多く、何だかこう、「やっちゃったなー」的な曲が皆無で落ち着いている。またMorrisseyのヴォーカルも実に落ち着いており、ファルセットまで美しく響かせながら歌い上げる曲とか、結構たまらんものがある。まあ歌詞はですね、今も昔も変わらぬ感じで、何だか報われない感じは強いのだが、それでも結構前向きな展開を見せたりという部分があって、そこら辺も結構このアルバムのポイントなのかも知れない。しかしこれだけがしっとしたアルバムを作っておいてその後いきなり移籍して異色作を作ってまた移籍して90年代最後のアルバムを作って、とか考えるとこのアルバム、嵐の前の静けさのような作品なのかも知れない。でも今の彼の姿に一番近い作品だと思うのだなあ、今振り返ってみると。