The Story

だからもう、「さくら」をテーマにしたJ-POPは禁止。スカパーの音楽番組見てるとCMでうざいくらいにさくらさくら連発でもう辛い。

サントラ「My Blueberry Nights」を聴く。ウォン・カーウェイ監督の映画のサントラである。Norah Jones主演ということで話題の映画であるが、公開が楽しみである。とは言え私は別にウォン・カーウェイファンというわけでもない。ただ、このサントラを聴いたら物凄く楽しみになってきたのである。実を言うとこのサントラを購入するのには大層躊躇したものだ。Norah Jonesの新曲は聴きたいが、大体の曲は持ってるか聴いたことある曲だし、何だかなあ、と。しかし思い切って(ポイント使って)購入して、そのあまりのトータル性に衝撃を受けたのであった。ウォン・カーウェイ本人が車でアメリカを旅する時に聴いていた曲とかを中心に組み立てたようであるが、要は「こんなムードでテープ編集してみました」みたいな感じが余りにも完璧で、Cat PowerOtis Reddingが全く違和感なく、「言われてみれば通じるムードがあるのう」と納得させられてしまう勢いで同居し、更にはCasandra WilsonのNeil Youngカヴァーがハマり、Mavis Staplesの新作から私が一番好きなトラディショナルナンバーが収録されていれば、同曲のプロデューサーでもあるRy Cooderが物凄くぶっ飛んだダビーな曲から、アクースティックギターだけの素朴な曲、と相変わらず技ありの音作りのオリジナルスコアを提供し、ということで統一性があるんだかないんだかわからない面子と言えば面子なのだが、音の流れを聴いていると、もう唸らざるを得ないのであった。大体にして鈴木清順映画のサントラから「夢二のテーマ」が入っていても、これがまた違和感なくずっぱまりで、ウォン・カーウェイ入魂の編集テープを聴かせられている感じになってくるのであった。というか何故か知らないが俺も負けねえ、とか言って突然CDを編集したくなるような、そういう1枚である。編集テープ(今では編集CDか)作り大好きな貴方にも貴女にも是非聴いてもらいたい、極上のコンピなのである。