Daydreamer

(で今回のNag3は2月2日に書いたものです。つまり今日は違う日付で2つ更新されていますのでご注意を。)

私は音楽を聴くのが結構好きなのだが、たまに音楽の力というものを感じたりもするのである。

何もこれはインチキ臭い関係の話ではない。また、色んなところで皆声高に言っているような金が絡んだ「音楽の力」でもない。至極個人的な話である。

昨日は何だかひどい1日で別に私が悪いわけでもないのだが、とんだ巻き添えを食ったような、そんな1日であった。夜遅く家路についたのだが、気分は最低であった。で、車に乗り込んでJoy DivisionHeart and Soulを爆音で聴いていたらすうっと何か力が抜けるような、そういう気がして、まいっか、という気分になって穏やかな感じになったのだから不思議だ。

何か肩の凝りとかが取れるような感覚、と言えば良いのであろうか。実際肩の凝りが取れたわけではなく、喩え、である。そんな感じですうっという感じになっていったのである。まあ、恐らく20世紀最高のバンドによる音楽だったからなのかも知れないのだけれども、多分音楽というもの、自分の好きな音楽というものにはそういう力が備わっているのであろう。というかそう感じるのは自分なので、逆に言えば音楽にそういう力を付与しているのが自分なのである。こう考えると音楽との相互作用というものは存在するのだなあ、とか思ったものである。ちょっと昨日は疲労していたので思考が飛躍しがちだったのかも知れないが、そう感じたのであった。

でも上記のことはなるべく小声で言いたい。独り言のよう感じで言いたいものである。声高に言うと一気に胡散臭くなってしまうものであるから。

で、Adeleの「19」を聴く。タイトル通り19歳の女性シンガーフロムブリテン、のデビュー作である。これが、お前は本当に19歳なのか、とツッコミを入れたくなるほど渋い声と音楽性なので驚く。透き通るような声、の真逆の霞がかったような声である。スモーキー、とか形容されているようであるが、まあなるほどそういう感じではある。私としては音楽性は違うがAmy Winehouseの声を真っ先に思い出した。同じく白人であるし。さてこのXLからのアルバムでは実にシンプルなバッキングで歌をじっくりと聴かせるナンバーが多く、半端ない落ち着きぶりである。本人が弾くギターとかベースと声のみ、とか言う曲が凄く良いのである。こういうのは何よりも強いものである。他の楽器が入ってもその彼女の強みを壊すこともなくしっかりと華を添えている感じがして、凄く丁寧に作られた、でもけっして大袈裟ではない質の良いデビュー作だと思う。Jack PenateやらMark Ronsonも絡んではいるが、そういう話題よりもまあ、まずは何よりもこの声が最大のポイントであろう。Bob Dylan「Make You Feel My Love」のカヴァーも泣ける。