Don't Explain

昨夜のAOBA NU NOISEにお越しの皆様、どうもありがとうございました。EVOLは2人でやると暴れることができて良いなあ、という感想を持ちました。来月もどうぞよろしくお願いします。

そういえば、我が町の野球場の命名権というものが取り沙汰されているのである。前の球場の名前になった会社は不正が明らかになったのであえなく撤退。そして新たに命名権を得た会社も最近不祥事が発覚、ということでなんか呪われてるんじゃないかと。

大体にして最近色々な施設の名前が変わって、甚だ混乱させられる。手っ取り早く金を得るには良いのだろうけれども、何だかなあ、という気がしないでもない。

ここに来て上記のような事態である。もうさ、脛に傷持たぬ会社は今の世の中ないのではないか、とか思わせられたりする昨今なので、シンプルに「宮城球場」で良いじゃないか、とか思ったりするけれどもやっぱり金の問題なのか。

世知辛い。何とも世知辛い。昔から世の中世知辛いことに変わりはないのだけれども、それが最近加速度を増して世知辛い方向へと暴走していて、それを皆容認しているフシがあるからたまらない。

とまあ嘆いてはみたものの、世知辛さに関してはひけを取らない私であるから単なる呟きにしかなりえないのだが、Cat Powerの「Jukebox」を聴く。1曲だけ自身の新曲を含むカヴァーアルバムである。ちなみに初回で2枚組が出ているのだが、どう考えてもこちらの2枚組を買わない手はないと思うので早め早めで動いた方が良いと思いますよ。しっかしアマゾン、安いなあ・・・。上のリンクは2枚組の奴である。Cat Powerのカヴァー集、と言えば「The Covers Record」The Covers Recordがあったわけだが、これは結構忠実な曲から曲も違えば歌詞まで違って、これでなんでカヴァーと言えるのか、これで印税をJagger & Richardsに払うのはおかしいんじゃね?状態な「(I Can't Get No) Satisfaction」とか色々あって面白かったのだが、今作は前2作の開放感、力強さをそのままに、且つやっぱりこうなるよね、的な激しく内省的な色をまぶした快心の作品である。Bob DylanやらHank WilliamsやらJoni MitchellやらNick CaveやらMoby Grapeやら、ということで原曲を知っている曲もあれば知らない曲もあって、しかしどれもしっかりとCat Powerじゃのう、と安心して聴けるから全く関係ないのであった。とにかく演奏がダイナミックだし(バンドにはJim WhiteやらJudah Bauerやらいるし、ゲストではSpooner Oldham!)、ヴォーカルは凄く丁寧だし、ということで全体としては落ち着いた印象ではあるが、決してグダっともならずに2枚通して盛り上がって聴ける。とくに個人的には、上記「The Covers Record」でも取り上げられていたMoby Grapeの「Naked, If I Want」があた取り上げられていて、はてはて何でや、まあ本当良い曲だからまたやりたくなったのかな、程度で聴いてみたのだが、前作におけるギター弾き語りアプローチとがらりと変わって思いっきりラフなバンド編成でやっていて、思わずおおおおっ、と声を上げてしまった程の痺れる衝撃アンド興奮ヴァージョンなのでこれ1曲だけでも間違いなし、とか断言したいのであった。昔はさすがの私でも、暗いなあ、とか思ってしまう感じだったのにここまで(ある程度の息詰まる程の陰鬱さは健在だけれども)逞しくなるとは思ってもいなかったなあ、とここ最近の作品を聴いた時と同じ感想を抱く私である。オリジナルのBob Dylanに捧げたらしいナンバーも実に名曲で、Cat Power、やるな、とまたしても惚れ直すこと必至の傑作。