Alone With The Alone

パンだの練り物だのカップラーメンだの石油だのオレンジジュースだのガソリンだのプラスチック製品だの、何でもかんでも高くなっている世の中で増税しよう、というのはあれだね、発想が戦時中というか戦争に向う感じだなあ、とか禍々しい思いに駆られるのだけれども。お国のためなら何でも良い、って感じであるのかな。

でも、ガソリンを安くします、っていうことが大クローズアップされていて、それを言っている政党も結局最終的には増税とか言い出すに決まっているのだから、もう亡国だな、亡国。

とかネガティヴなことを言っていても始まらないので、もう一回この国潰してしまった方が良いのかな、とか思ったりするのだが、そんなわかりやすく青臭いことばかりも言っていられないので、せめて消費の活性化を図ろうとレコードを買っている今日も。

ECDは実に的を得たことを言っていたものだなあ、と感心しながらSix Organs Of Admittanceの「Shelter From The Ashes」を聴く。2007年のDrag Cityからリリースされたアルバムである。私はSOAは極初期の音源は聴いたことがあったのだが、それはちょっとあまり印象がよろしくなく、というか薄く、あまりのめり込めなかったものであるが、このアルバムは何だか凄くじんじん響いてくる。中心人物Ben Chasnyの奏でる、主にフィンガーピッキング(結構荒め)で爪弾かれるアクースティックギターと、それを盛り上げるエレクトリックギターやらパーカッションやら何やら、なのだがこの暗いメロディでひたひたと迫られる感じが結構クセになる。加えてBen本人と数曲に於いてはデュエット的に女性ヴォーカルが入り、これがまた実に暗いメロディをダイナミックに彩るのだからたまらない。そう、何か楽器は少ないはずなのにこちらにずいーと迫ってくる音楽である。結構ヒプノティックに同じフレーズを繰り返すミニマルな曲とかもあり、またエレクトリックギターが低音フィードバックで唸りを上げたり、結構基本にブレはないのにヴァラエティが豊か、というありえない世界が広がっている。Dino Valenteのアルバムディノ・ヴァレンテ(紙ジャケット仕様)とかと続けて聴きたい、そういう冬、しかも雪景色がびたっとはまりそうな寒々しく盛り上がれる1枚である。っつーかヴォーカルが何か「荒野感」漂う感じで凄く良いのだ。