15 Steps

今や欲しい本を探しに出かけて、まともに発見するのはよっぽどのことになってきているようである。

昨年の7月に出ていて、でも昨日まで出ていることを知らなかった本を探しに今日は街中の巨大な書店を3件回ったのだが、どこにも第1巻のみ、とか1,2巻のみ、とかしかなくて肝心の私が欲しい第3巻はない。どこにもない。こんなに、こんなに巨大な、ビルのフロア丸々1つ使っているような、場合によってはフロア2つ使っているような本屋なのに。

ということでかなり途方に暮れながら、打ちひしがれながら、最終手段はamazonかあ、とか嘆きながら我が家の近所の比較的ローカルながらも大きめの本屋に行ったら、ちゃんとあったのですよこれが!こんな郊外も良いとこの本屋にきちんと1〜3巻揃っていたのですよこれが!

思えば我が家から一番近い本を売っている店は某ツ○ヤなのだが、ここがケータイ小説と雑誌しかないようなところで、漫画にしたって私が欲しいものはその日発売になったはずのものなのに置いてなかったりする体たらくであるのに対して、上記の比較的ローカルながらも大きめの本屋にはきちんと置いていたりするから、何と言うか本を扱う店の矜持、というものについて考えさせられるものである。

え、何の本かって?いやいや良いじゃないですか、『ワタシとまめゴマ日記』ワタシとまめゴマ日記 3 (3)だって・・・。

Radioheadの「In Rainbows」を聴く。実は私Radioheadのアルバムをマジメに聴くのは思えば10年ぶりくらいなのである、「OK Computer」以来だから。何だかその後は試聴してもピンと来ないし、何だかマジメに作ってるんだろうけれどももうちょいドカンと欲しいなあ、とか(試聴だけした分際なのに)思ったりしていたのであった。ところがダウンロード先行販売で話題になった本作は(私は当然ながらCDで買ったのだけれども)、何だか相当煮詰まった末に全てを引きずりながら突き抜けたような、そういう無理があるような勢いの傑作なので興奮して聴いた。何かいきなり拍子が5拍子だったり、ギターリフ一発で作ったような曲から、高速なブレイクビーツ、というテーマで作ったような曲から、ここに於いては不似合いなくらいに美しくセンティメンタルなバラードまで、ヴァラエティに富みながらも、どこか無理している感じで、でもそれが逆に心地よく聴こえるようなアルバムに仕上がっているのだから何だか凄い。そういうまだまだ突っ走る姿勢が見れるから多分今作は私でもイケるのだと思う。すっかり大物になってしまったが、まだまだ良い意味で迷えるバンドの佇まいは凄く良いと思うし、もしかしたらU2が長いことかけて試行錯誤していたことをもう少し短いスパンで経験しているのかも知れないなあ、とか凄く無責任に思ったりした。まあ、何よりも今作は良い意味で無理がある傑作なのだが、全曲ハッとさせられるメロディばかりで、決してダレないし、あっついのであった。まあ多分彼らくらいの存在で、しかもダウンロード先行販売とかいう話題もあったから、またぞろわいわい面倒くさいこと言うような輩が凄く沢山いるんだろうし、実際いるようだが、そんなの関係なく、エレクトロニクスとかストリングスとか使いながらも、そういやギター3本いるバンドなんだよな、と感じることのできるロックンロールアルバムである。