Helsinki

tdsgk2008-01-02


ということで初売りに行ってきたのであった。とは言え、私の場合はお茶の福袋(紅茶とか色々入っていて、大体1年以上もつから重宝するのである)買ってレコード買って、で見事に終わるのだから多分世の中の人々の初売りにかける意気込みとか、初売りで楽しみにしていることとかの2000分の1程度なのであろうが。

で、今回はふらりと行ったレコード屋でレコードの量り売りをやっていたので思わず参加してしまった。「レコード」という言葉と「量り売り」という言葉の相性は良いものなのだろうか。身近では東京の方でレコードをgで買ったりする超ツワモノ(某カメラマン〜デザイナー〜写真家〜DJの方)がいたりするが、その方程度である、そういうことを聞いたりしたことがあるのは。そういえば以前MUROが某雑誌で仙台で量り売りをしているレコ屋があって、とか言っていたことが一部で話題になったが、今回の店のことではないと思う。

話が逸れたが、そう量り売りである。たまたま行ったらオープン直前で、5人くらい人が並んでいてあららこれは混戦か、と思ったが会話が「きれいめヒップホップで・・・」とか「Nujabesの・・・」とかなので、あ、敵ではない、と瞬間的に察知した。実際オープンしていきなり最初にロックの箱に直撃していったのは私だけであった。

さて、1キロ390円、という単位であるが、これは大層お得だと思う。1キロというのは大体LP〜12インチとかで5,6枚な訳でそう考えるとどう頑張っても1枚100円にもならないわけであるから。そして私は別に転売してビッグバンが起きるようなブツを求めているわけではなく、こういう大雑把なセールに紛れ込んでいるビミョーな感じのニューウェーヴ寄りのレコードが大の好物だったりするのだから、実に嬉しいわけである。

で、結局1.3キロレコード買ってきたのである。何か肉買ってきたみたいな表現だが、1.3キロ分、買ってきたのである。後で枚数を確認したら7枚であった。7枚で1.3キロ532円。若干枚数の割りに重めな気がするのだが、それは多分Richard Jobsonの朗読アルバムに分厚いブックレットがついているからだろうと思う。そうなんだよな、朗読だからどうなんだよ、と内容を知っていながらもCrepsculeからだし、何せRichard Jobsonだし、とか言って盛り上がってしまって買ってしまったのである。

しかし7枚で1.3キロなわけであるから、果たして我が家のレコードの総重量は何キロなのだろうか。多分300キロオーヴァーであろう。そう考えると我が家の棚の地震対策を早急にしなければならない、と思わず緊張が走る年の始めなのであった。

Anna Jarvinenの「Jag Fick Feeling」を聴く。フィンランド出身で、元々スウェーデンでバンドをやっていた女性のソロアルバムである。バンド名は失念してしまったが。これがですね、何だか心洗われるようなポップソングばかりのアルバムでいきなりへヴィローテンションである。まず声が可愛らしい。しかもそれが実に自然な感じの可愛らしさで、全く嫌味がなく、優しい。そして英語ではなく現地の言葉で全曲歌われているわけで、何だか凄く発音的に新鮮に聴こえるわけである。それこそ古きよきポップス風メロディをスウェーデン語でやっているような、そういうどこか(私のような日本人にしてみれば)不思議な手触りがある。加えてバックもストリングスが主体のナンバーから、弾けるようなバンドサウンドをバックにしたナンバー(音処理が60年代っぽかったりするところもまた良い)、アクースティックギター中心でフォークな感じに綴るナンバーまで色々幅広く、一時期の所謂「スウェディッシュポップ」とかとも相通じるキャッチーさである。もっと近い時期の話で言えばPeter, Bjorn And Johnからデカイ音のギターを抜いたような、そういう印象もある。まあ、歌詞が全く何歌ってるか歌詞カード見てもさっぱりわからないのであるが、多分これは詞も含めて絶対に泣けるんだろうな、とかそう思わせられるここ最近の美メロアルバムナンバーワンである。こういうのをたまにふと聴くと、突然虜にさせられてしまうから困ったものである。