It's Alright

実に久々に同じ日付で2つ目である。

喪中だから年賀状はあまり来ないだろうと踏んでいたのだが、喪中決定時期があまりにも遅かったために結構年賀状が来てしまった。嬉しい悲鳴、というのはこういうものを言うのであろう。

こういう場合、あれなのか、寒中見舞いというものを出すのが良いのであろうか。確かあれは1月7日過ぎでないとダメだったよなあ、とかそういう方面には全く疎い私にしては珍しく思い出しつつ年賀状を眺めていたのであった。

古くからの知り合いが結婚していたり、新婚夫婦が引っ越していたり、とか色々変化があってそういう年齢だものなあ、とか思いながらいたのだが、仙台の某中古レコード屋からも来ていた。この店は以前には仙台に3店舗あったが、今では1店舗で、年末に久々に行ってきたりした店なのだが。

「初売り」のお知らせはまだ良いとして、「閉店セール1月19日20日」というのは何だ!?どうやら店舗を閉めてネットでやっていくらしい。何だかCISCOの件もあってそういう流れになっていくのかなあ世の中、とか思っていた矢先のことだったので軽く衝撃であった。

須永辰緒も『remix』で、Poleも『WIRE』でそれぞれ「レコード買おうよ」みたいなこと言っていたのだが、レコードCD屋ディストリビューターが消えつつあるのは世界的に同時多発的なことらしい。今年もその流れは強まっていくのだろうなあ。

私は棚とかラックとか置き場に頭を悩ませながらも、このままずうっとこうして生きていくのだろうけれども、いずれ古い考えの持ち主として化石になっていくのだろうか。それとももう皆、あんまりレコードとかCDとか聴かなくても充分生きていけるくらいに満ち足りた、器用な生き方をしているのだろうか。だとしたらとても羨ましい話ではあるのだが、だったらそんな暮らし送りたくもないわ、とか思ってしまう天邪鬼な私は今年も健在なのであった。

さて、そんな生き方をしている中で2007年はカヴァーアルバムが凄く良かったのである。今日の日付の前の更新に於ける10枚には敢えて入れなかったが、
Marc Almond "Stardom Road"Stardom Road
Bryan Ferry "Dylanesque"Dylanesque
Patti Smith "Twelve"Twelve
V.A. "I'm Not There"I'm Not There
のカヴァーアルバム群もとても素晴らしく、よく聴いた1年であった。

ということで何だかやるせない元日であるがKaren Daltonの「Cotton Eyed Joe」を聴く。一昨年辺りから彼女の再評価のブームが大層盛り上がっていたように思えるが、こういう発掘ライヴ音源まで出たのだからそれは確かなのだろう。これは1962年のライヴの模様を収めたCD2枚組みである。The Atticというコーヒーハウスでのライヴらしいのだが、音質はさほど良くない。そしてバックも彼女の弾くアクースティックギターとかバンジョーとかのみの非常に簡素なものであるから、あまり良いライヴアルバムとは言えないのかも知れない。いかにも発掘音源、と言った感じである。でも、それでも彼女の強靭な独特な歌声がスタジオ盤と同様、もしかしたらそれ以上の勢いでこちらに伝わってくる。生々しさが際立つ音源である。Fred NeilとかRay Charlesの曲などもやっているのだが、どの曲も彼女自身の曲になってしまっている。しかし彼女の歌声は何か力強いのに、どうしてもどこか寂しげで不安を感じさせるようなもので独特のメランコリックな美しさがある。それはこのアルバムでも淡々とした中からも感じ取れるのである。雪模様の外を眺めながら聴いていたら、何だか変な切なさに襲われてしまったのであった。これを聴いたら次はJudy Roderickでも聴きたくなってきたな。