Mystery

明日ではないですか!

-W- Monthly EVENT  "AOBA NU NOISE"  2007/11/27(tue) SHAFT OPEN: 19:00~25:00 TICKET: ADV:1500yen(2Drink) / DOOR:2000yen(2Drink)

GUEST ACT:DJ ぷりぷり (TOKYO aka ぷりぷりTV) BAND act:-W- (waikiki champions) , runny stools
DJ's:EVOL(LOVE RECORDS), TASHI-ROCK (AFTER DARK), MASAYA OMOTE (SOLNOA), drop (Leaf & Villain)

よろしくお願いします。8時半くらいからEVOLの折檻タイムが始まります。

私は大体常に同時進行で読んでいる本が2,3冊はあるのだが、ベケットとかデュラスとかセリーヌとかは結構だらだらと読んでしまうので時間がかかる。今もベケットとデュラスと間章が同時進行中であるが、時間がかかってしょうがない。まあ私が基本的に理解力が低い、というのが大きな要因であるのかも知れないのだが、ついついあら、何故こんな展開に?となってしまって行きつ戻りつしているからである。

そんな遅読の私でも高橋透の『DJバカ一代』DJバカ一代は買って来てからずわーと1時間半くらいぶっ通しで、しかもビールを飲みながらあっつく読破した。この書はいまだに現役DJである彼(現在50歳)の何故ディスコやらクラブやらに関わるようになったか、何故DJを、とかそういうことが1975年から1995年くらいまでの期間で綴った自伝のような書物であるが、これがたまらなく面白い。上京してきた際のエピソードやら、アフロヘアーの話、渡米、そして様々な人々との出会い、パラダイス・ガラージの思い出、そして芝浦ゴールド、という展開で一冊終わるようなものなのであるが、それぞれのエピソードが、さらっと書いてるけどこれって実は凄いんじゃないか、的なことばかりで興奮する。ネタバレになるからあまり詳しく書くのはアレだと思うのだが、やっぱりある種偶然ともいえる人との出会い、そして人間関係を築きあげることの大切さをビシビシと感じさせてくれる一冊でもある。

しかしそれにしてもゴールドのとんでもない金のかけ方やら中でのランチキ騒ぎやらのエピソードは当時中学生〜高校生〜大学生だった私でも伝え聞いていた話(とくにLydia LunchやらGenesis P. Oridgeやらのボンデージパーティとか・・・、ってやっぱその方面の話題が最初に思い出される私の業の深さたるや)ではあるが、実際とんでもなかったんだなあ、と何か遠い国の話を聞いたような感じになってしまうのだ、今のこの国の状況、そして私の状況から鑑みるに。また「当時の1ヵ月のギャラ、6,70万円を」とか普通に書いているが、そんな世界があるのか、とやっぱりこれまた遠い目になってしまったり。

ということでDJの自伝としても勿論面白いが、それを通して当時の世相を知ること、また詳しい内幕を知ることができるのもとても面白く、わーっと読んでしまったのである。とにかく何故か知らないが読み終えた後の爽快な感じはなかなか他では得られないかも、って猛烈に個人的に、ではあるが。

個人的についでに当時筆者がプレイしていたレコードもちょこちょこ紹介されているのであるが、どうやらそれによると私はツバキハウスや、もしくはニューヨークのゲイディスコで受けていた曲が好みのようである、というか実際何回もDJでかけていたりしたのであった。そうか、やはりオネエハウス世界か・・・。

と認識したところでThe Wipersの「Box Set」を聴いている。脈絡はない。相変わらずない。これは初期3作「Is This Real?」「Youth Of America」「Over The Edge」に大量のボーナストラックを追加してまとめたCD3枚組である。ブックオフにこういうのがあると泣けるんだよなあ・・・。Nirvanaがカヴァーしたり、トリビュートアルバムが出ていたりすることで御馴染みのアメリカンパワーポップ〜パンクのバンドである。これら3作品は大体80年代初頭の作品である。ファーストはかなり瑞々しい、というかどんなにゴリっとしたリフが全編鳴っていようが、声の甲高さ伸びやかさもあって、実にポップである。それがセカンドになると音の鳴り方が変わって、また10分前後の曲まで登場したりして、かなり印象が異なりハードになった感じである。で、サードではファーストのポップさ具合とセカンドの硬派な具合が良い感じに混ざり合って実にパワフルな作品になっている。また大量のボーナストラックでは別テイクとかヴァージョン違いなどがわんさか入っていて、普通だったら飽きても良いのだけれども結構印象的に各々異なる印象の曲ばかりで、へー元はこんなだったのか、ととても面白く聴けるから3枚のCDあっという間である。でもやはり特筆すべきはメジャーコードな曲であれ、マイナーコードな曲であれ、一回聴いたらすぐに耳に取り付くキャッチーなメロディ作りであろう。所謂メロディックもののハシリ的な、それこそHusker Duみたいな存在になっていてもおかしくなかったかも知れないが、ハードな音作りの割りにメロディがとてもポップだったのが逆に彼らから居場所を奪ってしまったのかも知れない。いやいや、そんな生意気な分析はいらないからガンガンに聴こうではないか。こういうスカーッと抜ける感じのがめちゃくちゃな爆音で鳴っている時間がとても幸せに感じられる時間が人生にはあるのだ絶対に。