Machine Gun

■11月11日 (sun)「nadiff bis presents Ensemble of Rests#4」at せんだいメディアテークオープンスクエア
adv.3000yen/door.3500yen(チケット枚数限定)
14:00 open/15:00 live start
出演:GUTEVOLKLullatone/yumbo & tenniscoats/aaraki (DJ)/TDSGK (DJ)/monogram (VJ)
チケット取扱店(9月10日発売)
ローソンチケット Lコード 23663 nadiff bis(仙台メディアテーク1階)022−265−7571 HMV仙台一番町店 022-213-0321 火星の庭  022-716-5335 GANJABHANGAH 022-722-3727 store15nov  022-221-5763 ミュージック昭和(山形) 023-641-2923 action time vision(盛岡) 019-651-5485

よろしくです!

しかし通販で買おうと思ってネットやらリストやらで見て注文したレコードが「品切れです」とか言われた時ほど他人に憎悪を抱くことはないものである。

以前は通販で買ったレコードがハズレだったとき程落ち込むことはない、という主旨のことを書いた気がする。そして以前はHMVの在庫がありません、の連絡に激昂する、ということを書いた気がする。HMVの件は最早何ヶ月も待たされるのでダメなんかな、という風にテンションが下がっていくのでまあ良い(それでいて忘れた頃にいきなり発送されたりするから性質が悪かったりするものだが)。

しかしそのような大型店ではなく、もっと小規模の店で品切れだったりすると、ぬおおおおお、と変なテンションの憎悪が漲り、誰だよこれ買ってる奴どうせ適当に聴いて終わりだろお前にとってはそんなもんかも知れないが俺様の方がな愛情を持って聴き倒すんだよああはいはいわかったわかったどうせ他人がホイホイ喜んでるレコードなんて買わねーよバーロー!とまったくもって何様だお前は、という句読点を打つのも忘れるテンションで一気に憎悪の念が噴出して、以降ずっと機嫌が悪くなるのだから困り者だ。

これが別に顔を知っている友人とかが、店頭で私が買い逃したレコードを買っていたら「わー良かったねー、っていうかあのヴァージョンどうだった?」とかそういう風に、共通して好きなレコードについて語り合えるから凄く楽しい気分になるのに、通販品切れの際は、顔が見えない誰かが俺様の獲物を掻っ攫って行きやがった!とかいう風になって何だかやり切れないのである。

これは問題である。現代社会の問題は全てここに集約されるのではないか、と。顔が見えるコミュニケーションと顔のないコミュニケーションでは心理的なテンションが全く持って違いすぎる。ネット上では馬鹿みたいに攻撃的になったりする人間がいるのもよっくわかる、というものである。

いや、そんなに話を大きくしたいわけじゃないんだ、違うんだ。多分通販するってのは私にとっては大事なので、それだけ気合い入れて注文したのに入手できなかったからがっくりの度合いがデカすぎて、それで憎悪の念が噴出するんだ。

ところで人間、欲がなくなったらお終いだというが、その点まだまだ私も人間でいられる、ってことの証明なのだろうか。

と都合の良い解釈をしたところで。しかし要はだな、地元でそういうイカした新譜を買いたいのだが、今のこの街に於けるレコード、特に新譜の入荷状況の零落ぶりには目を覆わんばかりのものがあるからなあ。とはいえこういうイカした新譜(?)を入れてくれる店があるのは本当にありがたい、The Peter Brotzmann Octetの「The Complete Machine Gun Sessions」を聴く。1968年の衝撃作である。私はCDでこれを持っているのだが、その時点でLPに2曲追加されていた。そして今回のエディションはライヴヴァージョンまで入った完璧版である。何と言うか、本当にタイトル通り「Machine Gun」はえらい勢いで連射される3本のサックス(BrotzmannにBreukerにEvan Parker)にまず度肝を抜かれるがその後入ってくる、これまた連射しているようなドラム(Han BenninkにSven-Ake Johnasson)、そしてその後の荒れ狂うインタープレイの応酬、その後の後半部分での合奏への雪崩れ込み、という息つく間もない怒涛の世界である。あえて偉そうに、これを超える衝撃の音楽は個人的には今のところない、と断言したい感じである。ジャズだか何だかもうわからんが、最初にこれを聴いた時の衝撃は忘れられないものである。その衝撃が更にライヴテイクで増幅、ということで泣ける。今日は私はお疲れな感じなのだが、これを聴いたらアガってきて今から川沿いを走りたくなる、そういう実に前向きな気分になれる音楽である。あ、あくまで個人的な話である。