Famous Blue Raincoat

色々書きたいのう、と思うことは多々あれどPCに向うと、あれ、何だっけ?となるから厄介なモノである。

だから、今日も今日とてこういうことに関して書こう、とかなってしまうのである。「後から抱きしめたい女性芸能人ランキング」って言われてもなあ、という気持ちもあるのだが、実際このランキング結果を見て、「これって結局人気投票じゃねえの・・・?」という思いが頭を擡げてきたりもするものである。まあ、若干バディ系の女子のランキング食い込みが見られたりもするから毛色は違うと言えば違うのかも知れないが・・・。だって1位が長澤まさみ、って言われてもこれ多分他のランキング、たとえば「妹みたいに甘えられたい」とか「デートしたい」とか「お弁当作ってもらいたい」とかのランキングがあったとしても、結局1位になってしまいそうな感じだし。

否、ここで結果について揶揄したいというわけではない。ここで重要なのは、結局妄想ではないか、ということである。芸能人ランキングの姿を借りた、単なる妄想の発露な訳である。日頃日陰の身である、妄想好きの方々(含む自分)にしてみれば、なんでこういう部分だけ日向の存在に・・・、とやり切れない気持ちになってしまうはずである。否、なる。

とは言え、結局皆妄想好きなんだな、それを何かオブラートにくるんで発散したいのだな、ということがわかっただけでも何だか晴れやかな気持ちになるものである。全く男って妄想ばっかだなあ、とか思ったりもしたが、女子の方々には「抱かれたい男ランキング」というまさに強烈な妄想ランキングがあったりして、結局この世は男も女も妄想ばっかりだぜ。

良い加減一週間の疲れもピークに達して荒っぽくなってきたぜ、ということでMarissa Nadlerの「Songs III: Bird On The Water」を聴く。女性フォークシンガーのサードアルバムである。しかし彼女のファーストBallads of Living and Dyingを聴いてやられてしまって一挙に虜になってしまったのだが、今作では若干楽器が増えている。とは言えあくまで最小限のバッキングで、メインがアクースティックギター弾き語りスタイルであることに変わりはない。ということで地味である。新しいか否か、とかそういう観点から音楽を捉えてしまう向きには退屈極まりないであろう音楽である。でも、これが何故か中毒性を持っているような気がしてならない。とくに今作に於いては彼女のヴォーカルのオーヴァーダブが印象的で、1人コーラス隊状態である。彼女の声は可憐な感じで、実に耳に心地よい。癒されるってもんである。しかし、だがしかし。デビュー作に於いては各曲のテーマが「死」だの「絶望」だった人なのだ。今作でもやっぱりそのような暗い影は言葉の端々から感じ取れるから、やっぱり一筋縄ではいかないなあ。でも考えてみれば伝承歌の歌詞なんてそういうのはごろごろあるし、そう考えてみるとそういうネガティヴなイメージだけの歌詞ではない今作にも、所謂フォークロアにありそうなテーマが散見される。正統派のフォーク、ってことなんだろうか、それはつまり・・・。とか難しいこと考える前にメロディは牧歌的でしかも胸を締め付ける感じだし、可憐なヴォーカルだし、ということでついつい聴いてしまうのである。何か裏がありそうなほどの素朴な美しさに彩られた1枚である。Leonard Cohenのカヴァーも1人コーラス隊効果によって、かなり面白いカヴァーである、シンプルなのに。ちなみにPeacefrogからのリリース、ってのにもぶったまげさせられる。