I Don't Feel Like Dancin'

ここ2日ほどお休みをいただいておりましたが、別にこれからの自分を考えて・・・、とか行き詰って・・・、とかそういう深刻なものではなく単純に時間が取れなかったり、赤ワインのボトルを空けたりしてしまったからです。最近自宅で飲みすぎ、という一番とほほな感じの日々なんですが。

まあ、そんなこんなな日常であるが、土曜日も大体仕事である私は昨日の朝テレビを見ながらぼんやり朝食をとっていた。CMになり、「クローズド・ノート」という映画のCMをやっていた。全く興味のない沢尻エリカとかいうスケが出ている映画なわけだが、予告CM見るだけでなんだかなあ、という気分になりトーストを齧る口の力が抜けていった。その直後に間髪入れず、今度は「未来予想図」という映画の予告編が流れ、最早その場でテレビをぶっ壊したいほどイラっときたのは何故だ。

別にそれら映画を見たらば見たで楽しめるのかも知れない。でもこの間私が見ようと思っていた「デス・プルーフ」が我が街では一箇所でのみ上映、しかも6日間、という状態だったためにまんまと見逃してしまったりしたし、他にも見たい映画が上映時間と折り合いがつけられず見れなかった、とかいう悲劇的なことが続いたりしたので、こんなに沢山の映画館で上映されて、しかも絶対に一日何回も上映される筈の優遇されてる映画が、なんでこんな下らねえ予告CMの映画なんだよ、という訳の分からぬ、理不尽な怒りに駆られたからに違いない。

全くもって勝手な意見だというのは百も承知である。だが、人間、時にはこういうめちゃくちゃ筋道の通らないことで荒れたりするものである。単に何だかお疲れ気味のところで下らぬ映画のCMがトリガーになった、というだけのことなのであろうが。ということで今日は何とか万難を排して「インランド・エンパイア」を見に行こうとする所存である。

Scissor Sistersの「Ta-Dah」を聴く。セカンドアルバムである。実に今更ながら聴いている。シングル自体は昨年のうちに聴いていてLinus Lovesのリミックスが最高だなー、とか思っていたりしたのだがアルバムを聴くと、実にこの連中、素晴らしいポップスグループなのだなあ、ということが嫌と言うほどわかる。何よりも曲がどれも素晴らしいし、どの曲もしっかりとハーモニーが美しい。で、それを何だかわかった面して大人しくやるのではなくて、ディスコビートに乗っけたり、これはありえないだろうーというくらいのベタな展開の、80年代にもここまでベタなのいなかったよなあ、と思わせられるくらいの80年代っぽいサウンドに乗っけたり、という分かった上での「外し」が効いていて、それが何よりも素晴らしい。Elton Johnが参加したり、Van Dyke Parks(!)が参加したり、と渋い路線に突っ走ることもできるはずなのに、まるでABBAかBee Geesのディスコ期か、というノリに仕上げているところに感動させられる。歌詞も適度にシニカルなのだけれども、本気で皮肉な感じではないような、スパイスとしての役目を果たしているような、そんな感じで微笑ましい。実は今の時代、こういうグループがきちんと存在している、ということがある意味ポップスの世界の健全な姿を表しているように思える。名作だなあ・・・。