March Of The Pigs

昨日はあまりの疲労に更新をお休みいたしました。というか、それまでの酒漬けグダグダ日記を反省したというか何と言うか。

とは言え、さほどいつものテンションとは変わらないグダグダ感であることは否めない。大体にして今日書こうとしていることも、結局がグダグダなのである。

先日のある夜、コンビニでお買い物をしようと車を駐車場に停めると隣の車の中の様子が目に入った。車は車高の異常に低い、今日び珍しい(とは言え我が地区に於いてはよく見るような類の)シルビアであった。問題は中、である。車内には男女。助手席には制服姿の女子。その娘がやおら制服を脱ぎ始めたので、動転しながらも目が釘付けになった。とは言えこっそりと、である。

いやいやいや、今日びの若い娘は大胆やね、と思ったら中にはギャルっぽいチューブトップを着ていたので、馬鹿野郎金返せ、とかなったのだが、その後ももぞもぞやってスカートをバッと座ったまま脱いでジーンズを履き始めたので、煙草を吸いながらこっそりとその光景を見ていた私としては唖然とするばかりであった。

でまあ、気になるのは運転席の男なわけであるが、別にその光景を見るわけでもなく携帯電話をいじっているのであった。どんなプレイなのや、と。見たところ2人とも若そうなのに、もうそんな小手先のプレイに頼るしかないのか、と。というかその一部始終を見ていた私は何なのや、と。

でも、なんかやる瀬ない感じがしたのだった。別に良い悪いの問題ではなく、何だか心に秋風が吹いたような、そういう空しさが漂ったのだった。それは別に一部始終を見ていた私に、ということではなく、何だか未来がない様な、そういう無常をその光景に私は感じたのだった。何故だかは知らないのだが。

それは多分もしかしたらこの光景がまるで、夏よ終わらないでくれ、というような悪あがきのように見えたからかも知れない。もう実際問題気温も下がって来ている中での車内生着替え、そして女子はチューブトップ、だったわけだから。多分夏しか生きていけない人種なのだろう、この2人は。この2人の秋、そして冬はどうなっていくのだろうか、という全くもって妄想でしかない、そして余計なお世話でしかない思いに私の心は瞬時に支配されたに違いないのだった。

と寂寥感、無常感に苛まれながらもNine Inch Nailsの「The Downward Spiral」を聴く。94年リリースの金字塔作品である、と言う割りには一度売り払ったのだけれども。それは私が所有していたのが輸入盤だったから、というのが大きな理由である。日本盤にはボートラとしてJoy Divisionの激名曲「Dead Souls」のカヴァーが入っているから買い直そうとしていたのである。結果的に13年かかってしまった。さて、この作品であるが、激しくメタリックなギターリフやら電子ノイズ+実は結構センチメンタルだったりする展開、とTrent大先生の絶叫+実はソウルフルなヴォーカル、という実に二極化した要素が見事に合体して結果的に重苦しい、しかしそれでも躍動感に溢れるアルバムになっているのだからこの時期彼は神懸かりだったように思う。マシーンビートは「そうだよなあ、元々TVTからリリースしてたんだもんな」という感じでMeat Beat Manifestoとかを彷彿させるブレイクビーツみたいな感じになったりもするのだがそこに生ドラムが絡み、そしてメタリックなギターが絡んで結局NINの音、になっているのだなあ、としみじみする。Ministryが重苦しさ全開で突っ走って行ったのに比して、NIN、というかTrentさんの方は異常なまでの静寂が支配するような曲もあって、そこら辺のバランス感覚、そして歌詞は自虐的だったり、トンデモ系だったりするのに、音的にはどこか救いがあるような、そういう良い意味での「甘さ」が効いているのだと思う。Johnny Cashがカヴァーした「Hurt」なぞ、どっちかと言うとCashヴァージョンの方が救いがないような、それくらいであるし。でも結果的にこのアルバム以降はちょっと私としてはピンと来ない(DFAリミックスの12インチは燃えたが)感じになってしまったので、やはりこのアルバムのバランスの取れた世界が結局は私にとってのNINだったのかも知れない。