Hello Hawk

いつもは「エンジニア萌えー」とか「転職するならココ」とかいう甘言で誘うような広告ばかりのあるサイトに「自分で集める音楽はジャンルもアーティストもマンネリ化する」とかいう文字が踊っていて、はてはて?と思ってクリックしてみたら。

なんか音楽をダウンロードできるサイトであった。

いや、別にそれは良い。何ら問題ない。問題は「自分で集める音楽は〜」という文言である。なんかその状態を打破するためにこのサイトを使え、みたいな感じなのだが、別に、ねえ。良いではないか、マンネリ化していても、好きならば、と私は思ったりしたのだった。だって「自分で集めている」わけだから。自分が聴きたいわけなのだから。大体「自分が聴いている音楽、マンネリだなー」とか感じる人っているんだろうか。私には想像もつかない。そりゃ似たような音楽とか似たようなアーティストのことを好きになって聴くことはある。それってマンネリなんだろうか。それこそまさに「自分が好きなものをあっつく聴いている」ことに他ならないのではないだろうか、と思うのであった。

別にあれを聴かなきゃ、これを聴かなきゃ、というルールがないからこそ音楽を聴くのは楽しいことだと思うんだけど。マンネリって言われても、ねえ、という感じではあるが、まあ、良いや。世の中には「俺はこれを聴いている。凄いだろ」とかいう感じのことを臆面もなく書いて誇らしげになっている人もいるし、そういうのに比べれば全然可愛いものだけれども。

Superchunkの「Come Pick Me Up」が猛烈に聴きたくなったので聴いていた。99年の作品である。Jim O'Rourkeがプロデュース、というまあ、異色作といえば異色作、なのであろう。これの前作「Indoor Living」Indoor Livingである意味極みまで達した彼らの次の一手がこれだったので、かなり衝撃を受けた記憶がある。小気味良いギターバンドとしての長所はそのままにブラスが入ったり、ストリングスが入ったり、という新しい趣向が実に新鮮である。でもそれだけだったらたんなる小手先の作品になってしまうのだけれども、曲がまず良いし、バンドとしての基礎体力ががっつりとあるからこそうわっついた感じのしない、堂々とした作品に仕上がっているのだと思う。そしてこの作品ではマックのヴォーカリストとしての魅力も発見できたりする。多重でコーラスが入っていたりするのだが、それが実に心地よく、良い声質だなー、と今更ながら思ったりする。そしてバンドアンサンブルの迫力もしっかりあって、それが上記のようなブラスやストリングスと相乗効果を生んで、ガンガンに迫ってくるのであった。この後の「Here's To Shutting Up」Here's to Shutting Upもシンプルに回帰して、それはそれで勿論凄く格好良いのだけれども、この作品に於ける、なんだか突然逞しくなったような作風もやっぱり捨てがたいのであった。っつーか名曲しか入ってないな、本当にこのアルバム。