The Homeless And Hummingbirds

我が家は蜘蛛の巣屋敷になりつつある。

とは言え、「荒廃している=蜘蛛の巣屋敷」というのではなく物理的に蜘蛛パワーに圧倒されそうな今日この頃である。夜帰宅すれば玄関の前に蜘蛛の巣がかかっていて(朝はなかったのに)まず洗礼を受け、ベランダに喫煙に出ればスカパーのアンテナに蜘蛛の巣、例のプチトマトとバジルの鉢にも蜘蛛の巣、とそりゃあお前たいがいにしろよ、と言いたくなるくらいの蜘蛛の巣ワールドである。

これはどこでもなのか。どこのお宅でもそうなのか。「蜘蛛の巣が張っている」というのは決して良い意味ではなく、人とかモノとかナニの出入りがないところの形容として非常にポピュラーなものであるが、我が住居は各世帯とも激しく出入りしている。生きている。そうだWe're Aliveである。だが、何故にこんなに蜘蛛の巣が。

車に乗ろうとすればドアとドアミラーの間にも蜘蛛の巣、物置から扇風機を出そうとすれば蜘蛛の巣、と見かけない日はないくらい我が日常に入り込んでくる蜘蛛の巣。そろそろこのアパートも蜘蛛によって崩壊させられる日が近いのだろうか。蜘蛛襲来、である。初号機とシンクロして斗わねばならぬ日が来るのだろうか。

はっまたエヴァネタが・・・。ハマってないですってば。ということでAlaska In Winterの「Dance Party In Balkans」を聴く。Brandon Bethancourtという青年の1人ユニットのデビュー作である。しかしBeirutのメンバーやらA Hawk And A Hacksawのメンバーやらが絡んでいたり、タイトルからも分かるとおりあれですよ、ニューメキシコ発の謎のバルカン民謡風世界コミュニティの新人なのである。ここらへんは実に不思議なムーヴメントだなあ、とか思うのだが出てくる作品がまた全て面白いからもっと謎である。こちらは上記2ユニットに比べると、よりエレポップ度が濃厚である。Beirutのアルバムにもエレポップ風ナンバーが出てきて度肝を抜かれたものであるが、こちらは最早バルカン民謡風メロディになったThe Magnetic Fields、と形容できそうな、そういう展開である。まあ、正直言うとそのまんな、なのである。とくに目新しい感じはしないのであるが、しかし、やっぱりこの哀愁のメロディラインが顔を出すと、もう無条件でオッケーになってしまうのである。そしてベース音が異常にでかいのがこのアルバムの特徴で、普通に床が振動して焦った。クレジットに「Lowrider Bass」とか書いてあって笑ったのだけれども。デビュー作としてはまずオッケー、そして次の作品では更なる突き抜け方を大いに期待したいような、そんな作品。というかデビュー作ってそういう感じが一番良いような気もするのだ。