Each And Everyone

【AOBA NU NOISE】2007.07.31 ( Tue )19:00〜 @SHAFT
ADV \1500(2D)DOOR \2000(2D)
BAND/-W-、runny stools
DJ/EVOL (LOVE RECORDS)、TASHI-ROCK.Jr (AFTER DARK)、MASAYA OMOTE (SOLNOA)

よろしくです!

ガルシア・マルケス(ブランドではない)の『百年の孤独』を最近読んでいる。

ちなみに別に自分では全く思っていないのだが、誤解されるとアレなので最初に断っておきたい。別に「これ読んでるんだぜ俺凄いだろ」とか「俺イカしてるぜこんなの読んで!」とかということを表明したくてここに記しているわけではなく、単純に読んで面白かったからその思いを何とか言葉に出来ないものか、という意味合いでここに記しているのである。

というか別にマルケスを読んでいてモテたり金が入ったり選挙で当選できたりするわけないことは重々承知の皆様だと思うので、上記のようなことは杞憂だと思うのだが。たまにそういうブログがあって(例えば「みんな○○サイコーとか言ってるが、△△を読んだ(聴いた)ことがあるのだろうか。俺はあるぜ!」みたいな)、まあそれを読んで不快にはならず、私のように底意地が悪いと、ククク、と笑いが出てきたりするから寧ろ楽しいのだけれども。

さて、話が逸れまくりなのだが、この『百年の孤独』、やっぱりノーベル文学賞を取っただけあって凄く読み応えがある。それはヴォリューム的にもそうなのだが、内容的にも、ズシっと何か来るのである。ストーリーは南米のとある町の始まりとその後の展開、そしてその町を作った一族とその子孫達のエピソード、と言えるだろうか。比較的時系列に沿って淡々と進んでいく。時折時間的に飛躍した話が挟みこまれるのだが、それが淡々とし過ぎていて「なになに!?」と思わずページを戻ってもう一度丹念に読んだり、というそういうトラップがあったりする。

そして淡々と時系列に、と書いたが明らかに、それは謎すぎる、というかありえないだろ、というエピソードが普通に挟み込まれているのでこれまた「なになに!?」と注意深く読んでいかないとわけわからなくなったりする。

かように「読む」ということの難しさと面白さ、また文学、というか読み物の可能性というものの広さを感じさせてくれる本で、ストーリー的にも、そしてまた一歩下がった位置から見て、読書の奥深さを感じさせてくれる、という点で、何か感動したのであった。

ただ、登場人物が多く、また似たような名前も多かったりするので、「誰だっけこれ!?」とページを戻らなければいけなくなったり、と何か己の読解力の低さを痛感させられたり、という嘆かわしい事態にも直面させられたりしたのだった。

とほほ。Everything But The Girlの「82-92: Essence And Rare」を聴く。92年に日本でリリースされた編集盤である。渡辺満里奈嬢がライナーを書いている、ということで当時一部で話題になったような気がしないでもないがどうだっただろうか。これはタイトル通り、EBTGを考える上で外せない(であろう)曲とヴァージョン違い、B面曲などのレアトラックを集めたアルバムである。当時は彼等は若干AORが入ったような音楽性になっていてなんだかあまり昔からのファンには評判が良くなかったように思えるが、デビューシングルも含めて各時代から色々収めたこのコンピを聴くと、結局何も変わってないんじゃないか、という思いを新たにするのであった。だからこの後にドンベーやってもハウスやっても、全く違和感なくEBTGだな、と感じることが出来るし、たとえAOR風味が強くなったとしても、初期の清涼感溢れる頃と変わらぬ世界が広がっているように感じられるのであった。そしてそれらの曲がたとえヴァージョン違いであっても、よくある無理やり感はなくて、それどころか凛としているのは、その曲作りのクオリティが高い、ということの証明でもある。Tracey Thornのヴォーカルも自分の声の活かし方を知っている感じだなあ、としみじみ思ったりしたのだった。