1963

【AOBA NU NOISE】2007.07.31 ( Tue )19:00〜 @SHAFT
ADV \1500(2D)DOOR \2000(2D)
BAND/-W-、runny stools
DJ/EVOL (LOVE RECORDS)、TASHI-ROCK.Jr (AFTER DARK)、MASAYA OMOTE (SOLNOA)

よろしくです!

マルキ・ド・サドは獄中であふれ出る言葉の数々を自らの血でもって書いたというが、私もなんだか山篭りの状況の中で言葉があふれ出て、というわけではないのだけれども、なんか習慣づいてしまったので何か書かずにはいられないのだった。

それが果たしてサドのように素晴らしいものになり得るはずもないのだが、ポリアンナ、という昔のアニメの主人公のことを思い出したので何か記そうと思ったのだった。

所謂ハウス名作激情、否、劇場(漢字変換すると一発で「激情」と出る我がPCはいかがなものか)のヒロインである。細かい設定は既に忘却の彼方であるが、確か彼女は「幸せ探し」のようなものを標榜して日々小さな幸せを探していたように記憶している。

と威勢の良い書き出しの割りには己の乏しい記憶力のせいで台無しであるが、昔は、そのような彼女のことをケッ、スケールが小さい奴め、などと馬鹿にしていた私である。こういうことはしっかり覚えている。

しかしこの歳になると、ふと日々小さな幸せ、喜びを探している自分に気づく。家で栽培しているミニトマトが色づいたこと、ビールをグラスに注ぐ際に液体と泡のバランスが7対3になったこと、宿舎の飯が結構ヴァラエティ豊かで工夫次第ではかなり飽きずに食べられること、などなど、365日、毎日そういった小さな小さな幸せを見つけては心安らいでいる自分に気づくのである。そのように本当に小さな小さな幸せ、というかあの時は馬鹿にしていてごめん、と平身低頭謝りたい32歳の夏である。

そしてこれも小さな幸せである。New Orderの「Singles」は実にスッと心に入ってくるなあ。これはその名の通り「Ceremony」からずーっと、時系列でシングルのA面曲(たまにB面曲も入っている)を並べた2枚組みのコンピである。彼等の場合何だかコンピというかベストというか、ここ13年くらいで異様に出ているが(ボックスも出たな)、これは一番しっかりと筋の通ったコンピだと思う。何より全ての曲がオリジナルのヴァージョンで入っているし、時系列で並んでいることによってJoy Divisionからスタートした彼等が、ダンスミュージックとしても一級の作品を作り、そして人懐っこいメロディでもってまるで「マンチェスターの良心」とでも呼べるようなバンドになっていったか、ということがあっという間にわかってしまうのである。そしてどの時期に於いてもしっかりとその時期の魅力というものを盤に刻むことに成功している奇跡的なバンドである、ということもわかってしまうのである。解散、という今更な報には少なからず動揺させられたがこれだけの作品を残してくれたのだから充分だろう、と自分に言い聞かせる日々である。まあもっと聴きたいわけなのだけれども