Sweet Soul Sister

台風が来たと思ったら次は大きな地震、と何とも落ち着かぬ日本列島である。

おそらく昔の人だったらこれは政治の腐敗のせいで、祟りじゃ、とかなって血祭りとかそういうノリになったのではないかと思うのだが、まあそれは良い。私が住んでいるところでは台風による被害も、地震による被害も幸いなことに、なかった。

しかし同じ日本で天災に見舞われた方はいらっしゃるわけで、こうなってくるとどうしてもあちらではあんなことになっているのに、こちらではこんなことをしていて良いのだろうか、という何といえぬ苦々しい思いがこみ上げてくるわけである。何も自分が悪いことをしているわけでもないのに、どこか申し訳ないな、と思うわけである。別にバカ騒ぎやら酒池肉林やらそんなことはやっていないのに、何か自粛しないといけないのではないか、と思うわけである。

しかしやはりそれぞれがそれぞれの生を全うすることが最も大事なはずだ、と考えると少しは気も楽になる、というか被災された方々への思いを持ちつつも、こちらはこちらでやっていかねば、という気になってくるのでそう考えて生きていくことにしようと思う。

そこで今日のNag3はもやし鍋についてである。生を全うするためには食していかねばならない。このメニューは我が家では最早生き神として崇め奉られているケンタロウが『きょうの料理』で紹介していた一品である。否、逸品である。もともとは冬の号の「ひとり鍋」特集に載っていたぐらいなのだが、これはあっさりしているので夏でもガンガンに行ける。鶏ももをひとくち大にしてごま油でこんがりと焼き(強火)、そこにみじん切りしたニンニクを投入し、水、酒、ナンプラーを入れて煮立て、その後7,8分煮込んで、塩・胡椒、火を止めてもやしを投入、という簡単極まりない代物である。まあ、それに各自、オイスターソースにナンプラー、ニンニク・しょうがのすりおろし、七味唐辛子、ごま油、砂糖を混ぜ合わせたタレをかけて食べるのである。

想像がつくように、実にエスニック、とかいう言葉が似合いそうであるが、思ったほど刺激的ではない。それどころか、あっさりとしていて、オールシーズンいける鍋料理である。否、最早鍋料理、というよりは煮込みのようなものである。で、最後はラーメンを投入してフィニッシュ、という実にビシッと決まる料理である。

何が良いかと言えばもやしをシャキシャキと余裕で一袋食べられてしまうところが素晴らしい。ちょっとした調味料は必要であるが、かなり安上がりにできる一品であるところも、ポイントが高い。私はこれを毎日食べても良い、と思うが流石に飽きそうなので控えておきたい。しかし、夏バテにも効きそうな感じがするので、そういう観点から言っても実にこの夏のブーム到来の予感、である。

何か本当にお料理ネタの多いNag3であるが、最早私の情熱の行き着くところはこれしかないのだろうか。そういう危惧もあるが、The Cultの「Pure Cult」を聴く。こっちの方面の情熱は敢えて表面化させないでも常にあるのだった。私は3ヶ月に一回、Gene Loves JezebelとかThe MissionとかThe Sisters Of Mercyとか聴きたくなる人間なのであるが、The Cultもそうである。これは93年にリリースされた当時のベスト盤である。ということはつまりネオサイケだ何だ言われた初期2作から、度肝を抜くハードロック展開になった3,4,5枚目までの代表曲(主にシングル)を網羅した好編集盤である。87年の「Electric」リリース当時はハードロック転向とか言われて大騒ぎになったものだが、こうしてまとめて聴くと、何ら変わってない、ということが窺えて面白い。単にギターのエフェクターがさほどかかってない、とか生々しさが増した、とかその程度の差異なのであろう。基本的には骨太な歌と演奏、ドラマティックなメロディ、ザッツオールなのである。+αの部分では確かに細かな差異はあるけれども、それとてThe Cultというバンドのあり方を捉えなおす必要を迫るような大きなものではないのである。ま、確かに91年作「Ceremony」からの楽曲あたりでは若干の過剰さが気になるが・・・。何と言うか80年代辺りから、大きいスケールのロックンロールをやっていたようなバンドの音って得てして変にゴージャスに走りすぎて今聴くと恥ずかしかったり、という瞬間があったりするものなのであるが、こいつらは実にソリッド過ぎて、今聴いてもビンビンに新鮮である、ってまあ単なる一ファンの呟きであるが。再結成してどうなったんだろうか・・・?