We Have Existed

tdsgk2007-07-08


今日2つ目。

自分は何故にこんなにカレーを作るのが好きなのだろうか、とたまに自問自答したくなるくらい、カレーを「作る」ことが好きなのである。

勿論、食べるのも好きである。しかし食べることよりも圧倒的に作ることの方が好きなのは自分でもおかしいのではないか、と思ったりもたまにするのだが、どうしようもないのである。

多分、何か「これを入れたらどうなるんだろうか」とか言って色々入れることをできる、その私の実験を受け入れるだけのキャパシティの広さがカレーにはあるのだと思う。私はルーを使わないで作るのだが、今回は以前言及したカカオ99%のチョコレートやら、湯剥きして小さく切ったトマトやらしめじやらチリパウダーやらなにやら、ガンガンに入れたのだが、これまたコクのある美味しいものが出来たのであった。

で、食べて美味しくて良かったのだが、ここで更に色々、玉ねぎを最初に加熱してから炒めればもっと早く、焦がさずに茶色にできるのではないだろうか、とか野菜を一回焼いてから投入してみてはどうか、とか色々アイディアが湧いてきて、もう明日にでもまた作りたい、とかなってしまうのだから何だか病的である。

こうなってくるとスパイスを更に充実させて、とか更なる広がりを見せてしまいそうなので自分でも気をつけなければ、と思うのだが多分どうにも止まらない。というか、何か工作みたいな感じで色々工夫とか実験ができるところが好き、という結論になってくると最早それはカレーというか料理とかでなくても良いのではないか、と思われる向きもあるかも知れないが、その工夫がダイレクトに現れてくるのはやはり料理なのであって、その代表がカレーなのである。

自分の隠されたクリエイティヴィティ、というか単に実験好き、という側面を発見できたところで高柳昌行の「April Is The Cruellest Month」を聴く。1975年にESPからリリースされるはずだった幻の作品の2度目のCD化である。当然ながら聴くのは初めてである。アルバムの3曲にアウトテイク1曲、という4曲であるが、これが最近聴けるようになった高柳作品の中でも、個人的には一番ツボにはまった作品であった。A面にあたる2曲はかなり断片的な音の連なりが印象的で、非常に静謐、というか幽玄と言っても過言ではないような、そういう静かな緊張感溢れる2曲である。で、B面には1曲、思いっきりマス・プロジェクションな、というかフォルテッシモな、というか、そういう全員一丸となった爆音の展開であるが、これが実に素晴らしい。ドラムの連打も物凄い唸りを上げるギターも全てが何と言うか、必然性を持ってそこに存在しているような、そういう説得力のある爆音のマス・プロジェクションナンバーである。これが当時ESPから出ていたらどうなったのかな、という思いを誰もが持つであろうが、逆に出ていないお陰でESPということを意識せずに聴けたりもするのであった。