Alice

我が家でミニトマトとバジルを育て始めて随分経つが、多分皆さんその後の様子が気になっていたのではないだろうか。

ま、そんなことは絶対ないと思うのだが、一応ご報告をしておかねばなるまい。最初はベランダで育てていたのだが、如何せん日光の当たりが悪く、茎の下の方が枯れたりなんだか全体的に萎え気味だったので、これではいつもの植物栽培のパターンに陥ってしまう、と一念発起、敢えて我が部屋の前の駐車場の建物に近いところに、邪魔にならないようにひっそりと置いてみた。

近所にドラネコとかいればなんか危険が及ぶか、と気が気ではなかったのだが、どうやらそんなこともなくすくすくと育っているのである。ベランダに置いていたときとは比べ物にならぬくらい背が伸び、全体的に元気な様子が窺える。とくに枯れかかっていた下の方も新しい葉っぱが出てきたり、ミニトマトに至っては遂に緑色の小さな身が成ったりしているのであった。

日光というのは偉大だなあ、と痛感すると同時に植物であれなんであれ、生命の尊さを感じる最近である。隣の部屋は、もう大変なことになっているくらいひまわりだの何だの栽培して、完全に部屋の前とかが植物園状態になっているのだが、我が家の一鉢もひっそりとながらも、しっかりと成長しているのであった。なんか感化されてこのままガンガンに色々育てて収穫祭とかしたくなってきている昨今なのであった。

しかし自分が植物の栽培に喜びを見出すようになるとは、思ってもみなかった。人間いつどんな変化が起きるかわからないものだなあ。

と何か自然派な感じをアピールしつつも、The Sisters Of Mercyの「Some Girls Wander By Mistake」を爆音で聴いて漆黒のひと時を過ごしていた。92年にリリースされた、メジャー契約前のシングルを集めた日の光を微塵も感じることのできない、素晴らしいコンピである。メジャー移籍後は結構音が厚く、一瞬「メタルっぽい・・・?」とか思える感じの重厚な音作りになった彼等(というかAndrew先生)だが、こちらではチープな音質ながらもひたひたとこちらに迫ってくる迫力を感じることができる。本人によるライナーもThe Stoogesね、Suicideね、Pere Ubuね、と何となくルーツを窺う手がかりになっていて面白い。それにしてもドラムマシーンの単調さを逆手にとったような、不気味なミニマル感はここでしか得られないものである。で、やっぱりAndrew先生の低音ヴォーカルがやはり際立っており、「1969」のカヴァーとか数曲に於いては音割れてるんですけど、とツッコミを入れたくなるほどの熱唱でこっちもあっつくなれる。メジャー移籍直前の「Temple Of Love」は有無を言わせぬ格好良さだし、それ以前のモコモコとしながらも暗ーく疾走するナンバー群にもイケナイ血が騒ぐのを抑えきれない。来日が2回も中止になったわけだが、次来る時がもしあるなら、そのときには是非はせ参じたいものである。