Sing Sing

tdsgk2007-07-02


何か甘いものが食べたいなあ、と思って我が家でいただいた板チョコを、よくよく確認せずこっそりと割って食べてみたら。

「カカオ99%」という地獄の罰ゲーム状態のチョコだったので一気にテンションが下がった雨の月曜日の夜。

粉っぽくて変に酸味があって苦い、99%カカオチョコレートとか喜んで高い金出して食べてる層って、よっぽど暇と金を持て余している有閑な連中なのだろうか。我等プロレタリアートとしては一致団結して斗わねばならない時が来ているのではないだろうか。ってまあ単に甘いものを食べたかっただけなのに、こんなに苦いものを食べさせられた個人的な恨みの方がどでかいのは言うまでもないのであるが。

というかそんなものを送ってくる人間の正気も疑わしいところであるが、Ultra Orange & Emmanuelleのアルバムを聴く。映画監督ロマン・ポランスキーの奥方の女優Emmanuelle(シャロン・テートしか思いつかなかった私は『マーダー・ケースブック』世代なのか)と男女ユニットUltra Orange(Ultra Redではない)の共演アルバムである。これがですね、思わぬ大穴傑作なのですよ。フランス人3人衆(+α)による渇いたガレージロックンロール(しかもかなり気だるい)なのである。いや、こういう若干ハードボイルドちっくな、ロードムーヴィー的画像が似合うような、甘いメロディでザラッとしたロックンロール(気だるい)そしてアンニュイなフランス語訛りの英語女性ヴォーカル、というのは一部の好事家にはたまらない魅力を持つものであって、まさに私にはずきゅーんと来る音楽なのである。たとえればThe Jesus And Mary Chainの「Stoned And Dethroned」を女性ヴォーカルで、もっとザラッと作ったような、そういうスウィート、且つレイジーなロックンロールなので、もう、やられた、の一言しか出てこない。The Velevet Undergroundっぽい、なんていう有史以来何万回といわれ続けた喩えがしっくりくる最新版、とも言えよう。そうかミックスはYo La Tengoで御馴染みRoger Moutenotでしたか、とかまあ、ごちゃごちゃ言うのは止めて黙って聴くべき1枚。