Sertao

今日2つ目だが、大事なことを忘れていたのだった!!

Dinosaur Jr. / BeyondBeyond
Joss Stone / Introducing...Introducing Joss Stone
Macy Gray / BigBig
The Autumn Defense / The Autumn DefenseThe Autumn Defense

上半期鬼のように聴いたこの4枚を忘れるとは、私もヤキが回ったものである。

まあ、別に誰に頼まれたわけでもないから、追加したところでどうこう、というのもないのだけれども。Moreno+2の「Maquina De Escrever Musica」を聴く。2000年リリースのCaetano Velosoのご子息のリーダーアルバムである。とは言え「+2」というのが曲者で、この「+2」を含む3人でそれぞれリーダーアルバムを出しているのである。つまり基本メンバーが同じまま3枚の違うアルバムを出す、という何とも痛快なプロジェクトである。ちなみにカシンさんとドメニコさん、というお二方である。他の2作品は未聴であるが、このアルバムの素晴らしさからいけば、間違いないだろうなあ、と思わせられるくらいこの作品は素晴らしい。勿論現代的なエレクトロニクスやプログラミングや厚いビートやギターの響きなども聴けることは聴けるのだが、あくまで全体としてはアクースティックギターと繊細な声の印象が強烈に残る、そういう不思議なアルバムである。まあ当然ながらお父様との比較は免れないところだと思うが、全く何ら遜色ない声とセンスの持ち主なのだなあ、と痛感させられる。今作にはお父様やらJoao Donato、Jobimのお孫さん、などなど新旧取り混ぜたブラジリアンオールスター参加、プラスArto Lindsay一派の連中までも、という面子だけでも凄いことになっているが、それだけではなく、やはり核となるMoreno氏の存在感が大層でかい。カヴァーもオリジナルも、それが新しくてどれが古い、とかそういう単純なことではなく全てを並列の直線状に並べてアルバム1枚丸まると豊かなものにしているのだから、これは凄い。エネルギッシュな側面もしっかりと窺えるのに、どこか涼しげなところとかはやはり彼の声質によるところも大きいかも。2000年代のボサノヴァ、というのはこういう感じなのだろうか。蒸し暑い夜に聴きたくなる1枚、なんて死ぬほど陳腐な台詞が思わず出てしまうが、そういうことを言っても良いよ、というようなスケールのでかさ、器のでかさも感じさせられる作品である。