Don't You ( Forget About Me )

何かふとした時にふと思い出すメロディ、というものが誰にでもあるはずだ。

別にそれは最近耳にした曲、というわけでもない。そういう場合だってあるかも知れないが、私の場合は何か疲れたなー、という時に唐突にメロディが頭をよぎるのである。もしかしたらそういうものが自分の本当に好きな音楽、とかそういうことなのだろうか。本当はどうだかわからないが、もしかしたら本質的にその人間が好きな音楽、というものが、別に最近聴いていた、とかそういうのは抜きにしてよぎったりするのだろうか。

とここまで書いておいてなんだが私の場合その頭をよぎるメロディというのはThe Sisters Of Mercyの「This Collosion」だったりBauhausの「Kick In The Eye」だったりSiouxsie And The Bansheesの「Happy House」だったりする。・・・そうか、やはりゴス、って奴なのか・・・。

Simple Mindsのベスト盤を聴く。私はSimple Mindsが大好きであった。20年くらい前には雑誌の懸賞で直筆サインを貰ったりしたこともある。しかし89年以降の作品はイマイチ、良い曲もあるのだけれども、という感じだったので手放してしまったが、やはりまとめて聴きたくてこのベスト盤に手が伸びたわけである。『ハイ・フィデリティ』でもダサいバンドの代表格的な扱いをされたグループであるが、初期の骨太なリズムにシーケンサーがビギビギ絡む展開なぞ、再評価されてもおかしくないくらいのオリジナリティであるし、繊細なギターワークは多分ネオサイケとかの文脈で語られても何ら違和感ない音だと思う。ただ、あまりにも演奏が達者すぎたり、ヴォーカルがパワフルすぎたり、スケールが大きすぎたりして、結果的に産業ロック、とか言ってバカにされることになってしまったのだと思う。ここで一度偏見を捨て、このVirgin時代を振り返るベスト盤に謙虚に耳を傾けるべきなのである、とか偉そうなこと言っているが、確かに「Once Upon A Time」以降は若干ちょっと大味な側面が出てきてしまったり、不自然なフォーク路線とでも呼ぶべき展開になってしまったり、というのはあるかも知れない。しかしこの骨太になったRoxy Music的なロックサウンドは今だからこそ新鮮なのではないだろうか。燃えるんだよなー、とこれまた誰の同調も許さないような展開になってしまった・・・。