I Have Lived

昨日は廃人になっておりましたので更新不可能でございました。

そんな昨日、車を運転していたら急に電話が来たので路肩に車を寄せて話していた。昼間の話である。

ふと見ると車道にバナナの皮が落ちている。これはおそらくさっきアメ車のワゴンを運転していた、上田馬之助みたいな、口ヒゲは黒いのに金髪な人が車からポイ捨てしたものであろう。何せ彼はバナナ食べながら運転していたし。

思えば路上にバナナの皮が落ちているなんていう、マンガとかでは使い古されたような、いわばヒップホップネタでいえばJBの「Funky Drummer」かIncredible Bongo Bandの「Apache」かESGの「UFO」か、と言えるくらいのベタなネタである「路上にバナナの皮」なんて光景を初めて見たので、一瞬トリップしそうになった。空想の世界ではよくあるネタだけれども、現実社会に於いて、バナナの皮が路上に落ちている、なんていう光景をアナタは見たことがあるだろうか。

それで誰かが、もしくは車道だったので車とかが滑ったりしないものか、とワクワクドキドキしながら待っていたものだがそのようなミラクルは起こらなかった。しかし、何か、遂に「路上にバナナの皮」なんていう光景を見ることができたとは、何かまさに一皮剥けたというか、自分の幼年期に別れを告げたというか、そんなエポックメイキングなことだったと言えよう。大人になったなあ・・・。

とかどうでもよいことに感動を覚えるとは私も弱ったものだろうか。しかしこちらのMarc Almond「Stardom Road」はマジで感動作である!!2004年にバイク事故に遭い、九死に一生を得た彼の復活作である。これだけで十分なのであるが、内容がまた、ねえ。カヴァー集であるが、オリジナルの新曲も1曲収録されている。たぶん、これをお読みの方でMarc Almondに関して共鳴してくださる方なぞいないことは重々承知であるが、それでもやはりこの声が復活しただけでも涙が止まらない。カヴァーしている曲はシャルル・アズナブールだったり、ダスティ・スプリングフィールドだったり、というポップクラシックナンバーがほとんどで、まあ原曲知らない曲ばかりなのだが、これまでの彼の世界を裏切らない世界がやはり展開されており、傑作、といえよう。思えばSoft Cell時代から彼はカヴァーになると燃えるみたいでこれまでにもそれこそ「暗い日曜日」、Jacques BrelからMadonnaの「Like A Prayer」まで、実に幅広く沢山カヴァーをしている。Johnny Thundersとかも。ということで彼の燃え方が伝わる力作なのだが、更にAntonyやSt. EtienneのSarah、Jools Hollandなどがデュエットで参加し、華を添えている。そしてバッキングも実にシンプルで生楽器中心になっており、Marc Almond最近の音楽的パートナーの元Sigue Sigue SputnikのNeil Xがとても良い仕事をしている。とは言え、やはりこの伸びやかな声、これがまた聴けただけで、何度も言うが感涙を禁じえない。単なるダメなファンの感想であった。