Solta O Frango

私は一度身の周りのちょっとしたことに不具合が起こると、もうそれが病的なまでに気になって気になって気になって、という傾向があるのである。

昔だったら買ってきたレコードにキズがついていて針飛びでもしようものなら、別に次の日に店に持って行って交換してもらえば済むのに、もう夜7時くらいでも自転車でもう一度店に向って交換してもらったり、とかそういうこともあった。棚のネジがはまらなければ、最早夜も12時近いというのにガンガンに削ったり穴を大きくしたりして、何とか夜中の2時くらいに完成させたり、とか、本当にどうでも良いと言えばどうでも良い、小さなことが気になって気になってなるべく早いうちにカタをつけたくてつけたくてしょうがないのである。

ということで不具合が起きやすい身の周りのものナンバーワン、といえばそれはコンピューターであって、前のPCのメール設定が出来ないときも、徹夜でチャレンジし続けてでもダメで、結局次の日に識者に教えを請うて完了、とかそういうことはよくあったわけである。今のPCは怖いくらいに調子が良いのでそこまでヒドイ目には遭っていないのが何よりも幸いなのであるが。

昨日、我が家に2台目のiPodがやってきた。今度はシャッフルである。私のものではないが、まあ、同居人が誕生日で今後電車に乗る機会も増えそうなので、なかなかナイスなアイディアだったと思う。とここで終わればよくネット上にある「日常の何気ない幸せを表明し続けるようなブログ」になってしまうが、本当に私が書きたいのはこの後のことである。

我が家には私のPCと同居人のパワーブックがあるが、そのパワーブックはOSが10.2.6である。つまりiPodに対応できないのである。従って私のPCが2台のiPodのキーとなるわけであるが、果たしてそのiTunesのライブラリを私用と同居人用で分けることができるのか、アップルストアの店員に方法を聞いてやってみたのだが、これが上手く行かない。折角3時間もかけてiTunesの7をダウンロードしたり、という平成の岩窟王のようなことをしたと言うのに。

で、昨日の夜はそれの作業に大いに手間取り、結果的に私のiPod nanoに入っていたデータを全て消去してしまう、という強烈にディザストラスな事態を引き起こしたりした。しかも夜中の3時くらいに。昨日のNag3が更新されずにいたのはこういう事情のお陰である。気になって気になって更新どころではなかったのである。で、ほぼ朝5時くらいまでiTunesとかと格闘したりしたが解決できず、力尽きて床に就いたのであった。

で、やはり今日も目覚めてから格闘を続け、何とかライブラリは1つでも各々のiPodに入れるデータを分ける方法を発見し、やっとこの件も一段落して、こうやって更新しているわけである。いつの日かこの私の病的なまでの「気になりまくり」性格は変わる日は来るのであろうか。と書いておきながらなんだが、一生このままな気が大いにしている私である。

ということでBonde Do Roleの「With Lasers」を聴く。ブラジル出身の3人組である。これがまた強烈な音楽である。Diploがエグゼクティヴプロデューサーとして名を連ねており、むむ、と思って聴けばMIAの数倍カオティックな謎な音楽なのである。ほぼ全編ポルトガル語でガンガンに歌いまくる男女ヴォーカルをバイレファンキを下敷きにしたトラックが支える、という非常にプリミティヴなビートと衝動に彩られた世界である。チープなのにやたら低音はビシバシに効いており、更にFreddie Van Halen(爆笑)によるギターが大フィーチャーされていて、何でもぶっこんでみたのに、結果的にチープ具合に拍車がかかっている、という不思議な感触である。足し算を繰り返していったら結果的に元の数よりも少なくなってしまったような、そういう事故音楽である。でもそれ故に何か不思議な勢いが感じられて、全くジャンル分けとかは無理なことになっているのだから、もう頭がおかしくなりそうである。まあ、単にやってみました、だけのクオリティではなくしっかりと不気味に統合性があるのはセンスが良い、ということの証明なのだろうか。CSSがとっても大人しく、行儀良く聴こえてしまうような土俗的な情熱に駆られたアルバム。しかしこういうバンドがDominoからリリースされてしまうとは、思えば遠くまで来たもんだなあ・・・。ちなみにジャケの衝撃度はかなりのもんである。