Catch Hell Blues

まあ首都ほどの程度ではないかも知れないが、私の住む県、市も結構阿呆な首長が牛耳る場所である。

今、なんだかわけわからないが、地下鉄の工事をやっていて、果たして利用者の顔が見えぬままに進めているような気がしてならない。果たして議論は尽くされたのだろうか、と思われるのであるがまあ、そういう感じである。

で、この工事が今がんがんに進められているのだが私の通勤路を直撃しているのである。朝の大混雑の中車線は1つ減らされるわ、帰り道では昨日までは左車線がつぶれていたところを今度は右車線をつぶして、とまあ大騒ぎである。こちとらささくれ立った気持ちで出勤し、最早ぼろ雑巾のような状態で帰宅するというのに、途中でこんなわけ分からん祭りに巻き込まれて本当に良い迷惑である。

こんな祭りを自腹でやってるのなら別に構わないのだけれども、我々の貴重な血税でもって祭りをやられて、しかもこんなに迷惑(もしかしたらそれほどでもないのかも知れないが、体感迷惑度はかなり高い)を被るなんてことが法治国家の下であってよいのだろうか。

まあ、何にでも反対したがり屋、みたいに見えるとアレなのだけれども、もしかしたらこの不快感は、今月給料明細見たら馬鹿みたいに住民税が引かれていたことに由来しているのかも知れない。基本銭ゲバの私としてはこんなジメジメとした不快極まりない季節に、更に不快な思いをさせられてたまったもんではない、ということを表明したかっただけである。

なかなか世の中自分の思い通りには物事が進まぬものであるが、The White Stripesの「Icky Thump」を聴いている間はオーライ、な気がするから不思議である。前作があまりにも凄くトンデモな傑作だったのであるが(それまであんまりピンと来ていなかったのだけれども)、それに比べるとこちらはエレクトリックギターの比重が増して、よりソリッドな、ロックンロールグループとしての姿になっているのかも知れない。それどころか最早単なるめちゃくちゃ尖がったハードロックにしか聴こえないような曲もあったりして、なんだかその振り幅のでかすぎるところがたまらぬ魅力なのである。そして何より、古いラジオを通して聴いているような、ざらっとした音質が今作では特徴で、近年珍しい音の鳴り方のようなアルバムに思える。基本はギターにドラムスなのだけれども、アンサンブルがスカスカになるどころか不気味に分厚く絡み合っていて、そこらへんも不思議なバンドである。バグパイプだのトランペットだのをフィーチャーしたり、謎のスパニッシュ風味ナンバーやら逆回転にヴォーカルが乗っかるような曲だの、アイディアも満載だが上手く消化されていてもたれない。何でもやれますよー、というのを誇りたがる人々やら音楽だのは古今東西結構いたしあったように思うが、潔くそぎ落とされた感じがして、このバンドのブレのなさを痛感させられたのであった。Jack Whiteのヴォーカルも実は結構ソウルフル、と感じられるし、日々の不快な感じをぶっ飛ばすには最高の1枚かも知れない。