Somebody's Baby

ぬおおお今日はライヴ行きたかったぜマザーファッカー!!

とかように、やり切れぬ日常をこなしていると、ふと温泉にでも行きてぇなあ、という思いが募るのである。

まあ別に行ったところでぼんやりしまくって、暇を持て余したりするのは目に見えることだし、まず何よりもいつ行こうか、予定は、とかいうのがどうしても私は立てられない性質なので、その段階で既にアウトになってしまいそうである。しかし、こういう何だかパリッとしない日常が連続すると、今の日常に対する裏側、として温泉、というものの存在がより神格化されるというか何と言うか。

とか今日も紫煙をくゆらせながら思っていたら、渋谷の温泉施設で大爆発、という事件があったそうである。何たるシンクロニシティ、と思うと同時に爆発と無縁の温泉が良いなあ、と強く思うのであった。

しかしそんな腐りきった日常であっても(だからこそ)「High School Reunion - A Tribute To Those Great 80s Films!」みたいなグレイトすぎるコンピレーションアルバムに出会うと救われた気になるものである。これはサブタイトルが示すとおり80年代青春映画(一部例外あり)「恋しくて」とか「初体験リッジモンドハイ」とか「プリティ・イン・ピンク」とか「ブレックファスト・クラブ」とか、のサントラ収録曲をみんなでよってたかってカヴァー、というそれだけでワクワクさせられる1枚である。参加面子は、私が知っている、聴いたことがある、名前は聞いたことがある、アーティストとしてはMatthew Sweet、John P. Strohm、Kitty Hawk、The Dresden Dolls、Kristin Hersh、Frank Black、といった辺りがせいぜいであろうか。あとは知らないアーティストなのだが、全20曲、物凄く、本当にここ最近なかったくらいの勢いで楽しめるアルバムである。まず大体にしてカヴァーされているアーティストがEcho And The BunnymenにFlesh For LuluにThe SmithsにThe Psychedelic FursTom Petty、The Replacements、PixiesThe Specials、Modern English、The Vapors、Jackson Brown、The Replacements、とそれだけでもう面白すぎる。加えて大体が結構ストレートなカヴァーを聴かせてくれて原曲を知っているとかなり盛り上がれるし、知らなくても勢いでどかーと楽しく聴けてしまう、そんなコンピかくあるべき、というお手本のような1枚である。インディーズからのリリースなんでなんかしょぼい感じの笑えない感じだったらどうしよう、と最初は不安だったが、それは全く杞憂に過ぎなかった。なんか上記映画が持っていた空気をこちらにも伝えてくれるようなカヴァーばかりで、本当、聴けてよかった、と私は号泣したものである。まあ、Flesh For LuluとSimple Mindsのカヴァーは、自分等の持ち味出しすぎで原曲の勢いが殺がれているのがちょっと残念なのだが、それすら多少だぜ多少、とぶっ飛ばせるくらいの勢いがある。名演揃いであるが、個人的に最も感動したのはThe Dresden DollsによるThe Psychedelic Furs「Pretty In Pink」のカヴァーである。原曲のドライヴ感を活かしながらアコーディオンとか鍵盤を効果的に用いてしっかり自分等テイストにしているのが素晴らしい。当時の映画に思い入れがある世代にもそうでない世代にも、原曲に思い入れがある人にもそうでない人にも、絶対に万人が楽しめるはず、と思いっきりお勧めできる1枚である。マジで狂ったようにへヴィローテーション中である。