Fledermaus Can't Get It

何だか毎日眠いのである。

春眠暁を覚えず、という言葉を用いて何とか全てを正当化できた時期も過ぎ、いまや初夏である。流石に春眠、とも言えない。以前は昼食を食べた午後の初めが死ぬほど眠い時間帯、であったが、今では午前中でも目をつぶれば即眠れる、午後でも即眠れる、8時半くらいに帰宅して目をつぶれば即眠れる、という感じのダメ人間状態である。

というかこうして考えて行くと私のような人間は寝ている状態が本当は自然な状態であって、こうやって起きて色々活動して、というのはかなり無理をしている状態なのではないか、とさえ思われてくる。そうか殺人的な努力をして日々生きているんだなあ、俺、と自分を誉めてあげたくなるような、そんな勘違いデイズが続いているのである。

とか言いながら夜もきちんと普通に寝ているわけだから、ほら、やはり昼起きているのがかなり無理しているのである。と結論づけても何ら問題がないような感じになりつつあるのは自分でもダメなのではないか、と思うが事実ダメなのだから仕方がない。しかし休みの日はそんなでもない。ああそうか仕事がやはり無理なのか。ということはやはり結構日々殺人的な努力をしながら生きているんだ、凄いな俺、とまた勘違いして誉めてあげたくなるようなデイズが続くのであった。

Von Sudenfedの「Tromatic Reflexxions」は、そんなヘタレた野郎はコレ聴いて気合い入れやがれってんだこの野郎、と誰に向ってでもなく自分に向って喝を入れたくなるようなアルバムである。先行シングルでも物凄くぶっ飛ばしてくれた、The FallのMark E. SmithとMouse On Marsの合体ユニットのアルバムである。Mark E. Smithの客演と言えばいまだにInspiral Carpetsとやった「I Want You」が最高だね、とか言いたくなるオッサンの私であるが、このアルバムはそれを凌駕する勢いの怒涛のハイテンション音楽である。正直こんな音がこの組み合わせから生まれてくるとは思わなかったのだった・・・。何と言うかエレクトロパンク、というか否そんなお行儀の良い言葉には収まらない凶暴なエレクトロビートにMark御大の呟きというかぼやきというかがなりと言うかが乗っかる、何だかとんでもなく荒涼とした音楽である。正直MOMからはある時期以降離れてしまった私であるが、こんなことまでやってしまうとは思いもしなかった。というわけでドカドカにとんがった音の洪水なのであるが、それでも曲はポップでMark御大のお声とも不気味なまでのナイスなマッチングを見せている。LCD SoundsystemとかDigitalismとか、そして多分Justiceとかまでもが随分物分りの良い音に聴こえてしまう、衝撃のアルバム。永遠にこのコラボを続けて欲しいと願わざるを得ない、極私的には今年の重要なアルバムの1枚。