Sonic Reducer

今日は些か唐突に平日に仕事の休みが取れたので、某古本屋中古盤屋社長と福島方面に買い付けの旅に出たのであった。

結構こういう感じのNag3が多いようにも思うのだが、今日は以前情報が寄せられていた白河のリサイクルショップでレコードを見る、というメインイヴェントがあった故にブックオフのみ、という感じではなく色々リサイクルショップを回ったりしたのである。ということでまず白河まで高速道路を交えつつなんとかたどり着き、仙台で言えば万代書店のような店に入ってみたら超膨大な量のレコードがあって圧倒された。何かDJお下がり、みたいな感じのレコードが多いのだが、そのお下がり具合が10年くらい前の感じで結構しっくり来るものであった。UNKLEとかFreakpowerとかTrickyとかTranquility Bassとか、そういう感じのトリップホップ、というかアブストラクト、と言うか。とか言いながら結局は4ADの極初期のコンピミニアルバムとMonie LoveのアナログLPを購入してしまうところにも己の業の深さを感じる、というか何と言うか。蛇足ながらPrimal Screamの「Give Out But Don't Give Up」のアナログもあったので買おうかと思ったらレコード盤が1枚しか入っていない、という衝撃もあった(アナログは2枚組なのである)。当然買ってない。

で、メインのリサイクルショップにはやはり情報通りニューウェーヴ系、と言うか、最早なかなか見ないけどさほど需要もないかも、という感じのニューウェーヴ系音楽の12インチが多数転がっており狂喜した。結果厳選して5枚にしたが、レジで「これシングルですね?」とか店員に聞かれる、という想定外の事態に発展し、オール100円になってしまったのには乱舞した。1枚300円で1500円を想定していたのだが、それより1000円も安い金額で入手できたのであった。

ということでいやーラッキーだねえ、とか思っていたら裏メインイヴェントの郡山の料理屋は昼の部の営業時間を過ぎていて食べられず、という驚愕&慟哭の事態が発生し、やはり運を白河で使い果たしたのか、と落ち込むも代わりにとても美味しいラーメン屋に行くことができ、それはそれでよし、という結果に落ち着いたのは不幸中の幸いであった。

とかそんな感じで過ごした休日であったが、たまにこんなんで良いのか自分、と思ったりもするわけである。もっとクリエイティヴに何かするべきではないのか写経とか、とかビリーズ・ブートキャンプにトライしようとか、そういう風に過ごした方が良いのではないか、とか思ったりするわけである。しかし結局家にいても何もしないで夕暮れを迎えてしまってさめざめと泣く、とかそういう結果になるのは明らかなので、やはりこのように出不精である私がどんな理由であれ県外にまで出かけていく、というのは案外健康的なことなのかも知れない、と自分を落ち着かせてみたりする。まあこういうことしか出来ないもんで。

寧ろそういう風に自分の行動を振り返って疑問を持ったりする前に、最近1100円を超えるレコードを全く買っていない自分に関して疑問を持ったりするべきである、とかいうまとめでもよろしいだろうか。ということでDead Boysの「Young Loud And Snotty」を聴く。今日は道中こんなのを聴いたりしながらいたのだった。故スティヴ・ヴェイターズ率いるアメリカンパンクバンドのファーストアルバムである。これがまたどかーと始まってどかーと終わるような、素晴らしい音楽の洪水ぶりで感動する。時折加工されたドラムスの音が入ってきたりするあたりが、逆にチープさを際立たせていたりもするのはご愛嬌、とか思うのだが本当に未来のない感じの突っ走るロックンロールである。何でもライヴパフォーマンスもかなり荒々しく衝撃的だったらしく、そしてまたThe Stoogesの影響が大きかったようだが、それはこのアルバムからでも充分に窺える、そんな荒っぽいアルバムに仕上がっているのがとても格好良いのである。The Damnedのファーストにも通じるような、何度聴いてもギターが入る瞬間とかドラムが入る瞬間とかに電流が走ったようにシビレさせてくれる、そういう快感指数の高い音楽で、また、歌詞の切羽詰った感じ(主に性的に)とかにも感じ入るのであった。1977年の作品でSireからのリリース、というとどうしてもRamonesが思い出されてしまうのであるが、あちらよりもより危険な匂いのする、とんがった印象の作品。