Fake Lesbian

何だかマヨネーズやらオレンジジュースやらの価格が値上がりしたり、と家計には嫌なニュースを耳にする。先日もいつもスーパーで購入していた100%オレンジジュースが、家に買って帰ってきてよくよく見たら、パッケージのデザインはほとんどパッと見変わってないように思えたのに、果汁100%は100%でも、リンゴとブドウとオレンジの100%ミックスジュースになっていて衝撃を受けたのだった。巧妙な・・・。カリフォルニアでバイオエネルギー用植物のための作付け面積が拡大されて、その分食料用の面積が減ってオレンジの値段が高騰、と言うことゆえの苦渋の選択、って奴なのだろうか。

というように、食料自給率の低い日本に於いて今一番何をしなければならないか、それはある程度の自給自足である、という大きな理想を掲げたわけでは全くないが、我が家でもバジルとミニトマトの栽培を始めた。昨年も別に上記のような理想を掲げたわけではなく、単に食いしん坊的な発想でバジルとクレソンの栽培に着手し、見事にクレソンに関しては全滅、バジルはちょこっと収穫、という情けない話があったのだが、今年はこの二の舞にならぬよう、なんと専用の鉢、そして土(何かハーブ専用の土なんてあって、世の中一体どこまで行ってしまうのだ、と遠い目になったが)まで導入しているから気合いの入れ方が昨年とは全く違う。是非ミニトマトとバジルにもこの気合いをビンビンに感じ取ってもらって、思いっきり育ってもらいたい。そして我が家の食卓に早いとこ彩を添えたいものである。

しかしこれで上手く行って調子に乗ると何か歯止めが効かなくなりそうでちょっと怖い。そういう危惧もないではないが、まずは上手く育ててみたい。日頃自分の世話で精一杯の私が植物を育てることができた、というだけで人間のステージが一段上がったような、そんな気分をまやかしでも良いから味わいたいものである。

Scratch Massiveの「Time」を聴く。「Black Strobeと並ぶフレンチダークエレクトロ」とか形容される彼等のセカンドである。確か私の印象では前のアルバムってそんな感じでもなかったように思うのだが、今作では兎に角そういう形容がなされているのであった。なるほどBlack Strobeの名前を引き合いに出してくるのもわかるような空気感は確かにある。しかしBSがあそこまでロックンロール色が強い音楽性になったのに対してこのSMはもっともっとフロアライク、というかエレクトロな4つ打ち道をひた走っている。アシッド的なベース、というかブリープ音は最早スピーカーぶっ飛ぶんじゃないか、というくらいのブリブリ具合で物凄いことになっているし、ちょっとギターが導入されたり、と耳を引く要素は結構ある。物憂げで淡々としたヴォーカルもこういう音楽にはバッチリのはまり具合で実に良い。ちょっとあまりにも全てがハマリ過ぎていて破綻が少ないところが唯一のちょっとした不満でもあるが、それは贅沢というものであろうか。それでも、この微妙に無愛想なミニマル的な感覚はこのテの音ではとても面白いと思えるし、何より音がダイナミックなので飽きないのである。The Cureのデビュー作の曲をカヴァー、という実に最高なセンスも持っているし(このカヴァーがまた良いのだ)。ところで全体として実にソリッドな、良い音の立ち方が印象的なのだがミックスは何とBasic ChannelMoritz Von Oswald大先生がやっているのだった!軽く衝撃。