Shining Bright Star

つけ麺、という食べ物が好きである。

さてつけ麺とは何か、と問われればつゆにつけて食べるラーメン、ざるラーメンと呼ばれたりもする食べ物である。何故かこれが私は昔から好きでオールシーズン食べても飽きない、そういうものである。

勿論ラーメンも大好きであるが、つゆと麺の絡み具合が自分で調節できない。その点、つけ麺は自らの意志の赴くままに麺とつゆのバランスを調節できる、というところが大きいかも知れない。また、最初の設定の時点で多くの店では1.5玉、とかそういう設定になっており、大盛りとか頼まなくても普通にデフォルトの状態で大盛り状態になっているところも魅力の1つかも知れない。実はこれが魅力の全て、という話もあるがそこを強調すると何だか情けなくなってくるのであえて書かない。

まあ何よりあっさりしているし、ガンガンと勢いつけて食べられるところもまた大きな魅力である。これからの季節、つけ麺が色々な店で食べられるシーズンの到来であり、楽しみである、と書いておきながら過日我が家の近所の、初めて入ったラーメン屋で悩んだ挙句、普通のラーメン「鶏白湯ラーメン」というものを頼んでしまい、しかも止せば良いのにこってりでオーダーしてしまい、白湯と書いてあるのに真っ黒いスープのものが出てきた挙句に舌を火傷する、という失態をやらかしたばかりであったりする。ここに、次回はつけ麺をオーダーする、ということを誓いたい。

とか書いているときちんと夕食もとったというのにつけ麺が食べたくなってくるのは何故だ。謎の食欲に負けぬようにBlackstrobeの「Burn Your Own Church」を聴く。思えばOutputから出たシングルで出会ってから随分経つが初のアルバムである。完成直後にIvan Smaggheが抜けてしまったらしくさてこれからどうなるのか不安な彼等であるが、とりあえずめでたくファーストアルバムリリースである。私はこのリリース日を心待ちにしていた。しかし。だがしかし。「Me And Madonna」より後のシングルで感じた違和感がここに来て大爆発してしまったような、そんな感じである。あ、あくまで極私的に、の話であるが。バンド編成+打ち込み+生ビート、そこに重いヴォーカルが乗っかるという音楽性に完全にシフトしてしまって、ジャストなビート以外にはダンス的な要素は見当たらなくなっている。それはそれで良いのだが、何と言うかあまりにもギターとかがギャンギャン言い過ぎていて、そのイケイケ感がちょっと昔のデジロック的なしょっぱさをかもし出しているところが何だか寂しくなったりする。巷ではゴスロックとかダンスカルチャーとダークなロックの融合、とか言って騒がれているようであるが、ちょっとBlackstrobeとしての個性であった絶妙なバランス感覚が失われてしまったような気がしてならない。分厚いシンセの暴れぶりとかは相変わらず面白いのだが、ちょっと半端な感じがしてしまうのであった。それでもこの一般的に暗いといわれるような(私には全然そう思えないが)世界を構築した手腕は見事だし、ヴァラエティも意外に豊かだし、アルバムとしてのテンションは高い。Bo Diddleyのカヴァーもなかなか良いし。しかし、どこかちょっと「引き」があっても良かったかもなあ、逆にバンドっぽくないような曲の方が新鮮な響きを聴かせているだけに。まあ、あくまで個人的な意見なのであまり参考にはなさらない方が良いかとは思う。面白いアルバムではあるし。ただ、んー次作に期待!とZend AvestaとかVolga Selectとかも好きだった私としては思うのであった。