The King Of Kalifornia

確かになるほど、昼ドラというものは過剰に濃く、ドロドロの人間模様、愛憎渦巻く、欲も一緒に渦巻く、そういった世界でなんだか現実離れしているなあ、とか思う向きもあるだろう。

しかし。だがしかし。結構ありえることなのだなあ、としみじみと実感する昨今なのであった。事実は昼ドラよりも奇なり。

平穏に生きようとする私にしてみれば大いに障害が多い昨今なので、些か参り気味であるが、These Immortal Soulsの「I'm Never Gonna Die Again」を聴いて勢いつけて日々を乗り越えるぜ。これは泣く子も黙るThe Birthday Party、元Crime And The City Solutionのギタリスト、Rowland S. Howard氏が弟君、そして故Epic Soundtracksという元Crime And The City Solution離脱気味に女性キーボーディストを加えて作ったバンドのセカンドである。92年作。もちろんバンド名はThis Mortal Coilのパロディ、というかそういうことである。しかしこれがメタメタに格好良いダメなワルロックンロールなのだから、こちらも悪い血が騒いでリフレッシュできるってもんよ(←病んでます)。マイナーコードで突っ走るメロディに、ボ・ディドリー風アグレッシヴなビートも交えつつ、炸裂する放電ギター、というたまらん世界に、イマイチ弱い、と評判のRowland先生のヴォーカルが乗っかるわけだからもうお天道様には顔向けできない、ワルいロックンロールワールドなわけである。でも、ワルいものの方が抗えない魅力があるわけで、そんじょそこらの半端な連中よりも、もっと半端なところが振り切れていて、思わずこういうのが一番好きです、とか口走ってしまいそうになる、危険な魅力のロックンロールアルバム。ユルくみえて実はテンション高いので注意すべき。ところでそんなに私は彼のヴォーカル、弱いとか思わないのであるが、いかがであろうか。