Do I Disaappoint You

最近身内をバラバラに、という殺人事件が結構な勢いで頻発しているのだが、何故バラバラなのだろうか。

以前にも書いたのだが、身内だからこそ「死体」という形で残っている、つまり死「体」の状態が無意識なのかどうなのかはわからないが、嫌なのではないだろうか。バラバラにしてしまうことによって「モノ」的な側面が出てきて少し気が楽になる、というか。

そういう気持ちがあるのならば殺人なぞしないはずなのだけれども。何か最近日本ではどこかタガが外れてしまったのかな、という気にならざるを得ないのであった。

とかイヤーな気持ちではあるがRufus Wainwrightの「Release The Stars」を聴く。5枚目のアルバムである。まあ、私は「Want」シリーズで虜になった、遅れてきたRufusファンなわけであるが、短期間でのハマリようの勢いといったらなく、彼の声を思い出すだけでなんか甘美な気持ちになったりして、ある意味恋していたようなものである(って彼の場合この表現は洒落にならないような気がするのだが)。で、今作であるがPet Shop BoysのNeil Tennantが絡んでいたり、とちょっと新しい展開である。元々彼の音楽にはクラシカルな要素と共に、非常にモダンな要素が共存しているわけで遂にここまで来たか、という感じである。かといってエレポップをやっていることは無論あるわけもなく、相変わらずと言えば相変わらずの、彼の美声+ストリングスも大フィーチャーのゴージャスなバッキング、という形であるのでまずは一安心である。時に彼の場合、その重厚なサウンドと声の取り合わせで、ちょっと重いなー、とかいう瞬間も、たとえそれが大好きなのであったとしても、ちょっとはあったわけである。で、そんな中で今作は、重厚さは相変わらずであるが、どこか吹っ切れたような軽やかさが感じられる快作である。なんだろ何か憑き物が落ちたのであろうか、と思ったりもする。であるからして、今作では余計に彼のヴォーカルの素晴らしさとメロディの美しさがビンビンにストレートに響いてくるのであった。妹さんやRichardとTeddyのThompson親子も参加。最初にこの作品から聴き始めるのもある意味良いかも、という新たなスタート、と勝手に解釈もできる瑞々しいアルバム。また恋の季節か・・・。