Smile

ところでインターネットって、情報はボン、とどこかに置いてあって、そこにいかにしてたどり着くかにかかっているのだなあ、としみじみ思った。

つまりあちらは動かずに、こっちから動いていかないとそこにはたどり着けないわけで、実に能動的にこちらが動かないと駄目なのである。何かインターネットをやるようになってから自分、能動的になった気がするのである。

それは大きな勘違いとしても、こっちから動かないと何も起きないのは本当である。まあそれは何事もそうだよ、とかわかった顔して説教垂れるような大人はこちらから願い下げであるが、こんなに受動的な私がここまで、挙句の果てには自分でネット上で日記まで書くようになったのは多分、私が知らず知らずのうちにネットのせいで能動的な人間にされたしまったからであろう。

それは悪いことではない。だがしかし、人間様はネットを活用してまるで世界を牛耳ったようにしているわけであるが、それは実はこちらから働きかけて色々得ているわけであって、実はネット上の情報そのものの場所は動いていない。それを巡って人間様はあくせくしているわけで、実はネットに知らず知らずのうちに支配されてしまって、無意識に下僕に成り下がっているのではないだろうか、とか思ったりしたのであった。

最近はネットで何でもできる、みたいな風潮があるわけだが、たまに情報を巡ってこちらの気持ちの余裕がなくなったりしてるなあ、とか感じる瞬間があるわけで、ちょっと一歩下がって見てみたらこんな感じなのかもな、と思ったわけである。

人間、たまにこういう全くまとまってないことをつらつらと書きたくなったりするものである。そんな気分だからLily Allenの「Alright, Still」を聴く。今更聴く。私は超マイペースで音楽を聴いているので、昨年大きな話題になったこのアルバムを今更聴いたりして、そして今更、これ格好良いじゃないですか、と言ったりするのである。コメディアンの、というよりは私にとってはNew Orderの「World In Motion」の共作者であるKeith AllenとThe Slitsのメンバーの娘、という大変な彼女のデビュー盤である。ところで色々調べたが、The Slitsの誰の娘なのか全くどこにも書いてない。挙句の果てには何かには「Rip, Rig And Panicのメンバーを母親に持ち」とかトンデモな記事まであって、Neneh Cherryの娘なわけないじゃろ、と激昂した次第である。そんなこと書いた人間は磔刑に処したいところであるが、謎である。それは置いておいてこれまでシングル曲しか聴いてなかった段階でも、面白いなあ、と思っていたわけであるが、アルバムの方もかなり面白い。どの曲も実にシンプルな作りになっているが、それゆえアイディア勝負の部分があって、そこが実に面白い。こういうのはいわばセンスの問題なんだろう、と思うのだが、そういう観点から行くと非常にセンスの良い作品である。結構サンプルネタ勝負なのかなあ、とか思っていたらそういうわけではなくて、耳に残るのはポップでキャッチーなメロディと彼女のちょっとスカした感じの歌声なおである。中にはどうしてもVenus Peter、というか「ヘッド博士」というか、Primal Screamの90年のシングル2枚、というかもっと言えば「悪魔を憐れむ歌」?みたいな印象の曲もあって、インディダンスみたいだなー、とか思ったりしたのだった。そう、決してめっちゃくっちゃ新しい、という感じではないのであるが、良い感じで折衷主義、みたいなところとかレゲー色が時折濃くなるところとか、凄く(一面的な話ではあるが)イギリスっぽいなー、とか思ったりしたのであった。歌詞も何かイキがってる女の子、みたいな気合いがビンビンに感じられて凄く良い。セカンドではどんな手で来るのか、それも楽しみである、ってまあ今更なんですけど。