Once In A Lifetime

我が家のスカパーの受信状態がおかしい。

突然「信号を受信できません」とかいうメッセージのみで何も映らなくなったりする。本当に突然に、である。前日の夜までしっかりと映っていたのに、次の日の朝突然、である。

以前もあったので、今回もなんなのや、とか思いつつ冷静にアンテナの向きを微妙に変えたりしながら対処したら映るようになったので、それは良い。しかし。だがしかし。途中で画像が突然静止したりするのである。突然、である。何なのだろうか。お陰で私の数少ない毎週の楽しみの一つ「80年代洋楽ヴィデオ特集」とか毎日の疲れを癒してくれる「トムとジェリー」がこれまたとても良いところで止まったりするから、本当に噴飯ものである!!

お陰で楽しみのはずのそれら番組が非常にストレスフルなものになってしまっているので、日々不調なのである。これらのせいにするのはどうかとも思うのだが、明らかに原因のひとつにはなっているように思う。どうしてくれるのだ。

と問うてみたところでしょうがない。こういう経験をなさった方はこちらにはいらっしゃらないであろうか。日々微妙にアンテナを動かしてみたりして、微調整は欠かさないのだが、それでも良いところでポーズになってしまう状態は変化はないのである。

しかし気がつくと以前は全くテレビを見ていなかったような人間である私が、テレビは上手く映らないことでストレスを感じる、とは人間変わるもんだ、というか、郷に入れば郷に従えな人間だなあ、自分、というか。そんな私という人間の変遷に思いを馳せつつTalking Headsの「Remain In Light」が突然聴きたくなったから聴いているのだ。ここらへんは変わらない、というか一生変わらないのかも知れない。これはTalking Heads史上最も有名な80年発表の、あれ、何枚目だろ?のアルバムである。Brian Enoがまたがっつりと絡んでいる作品でもある。久々に聴いたが、何だか変な手触りと単調なくせに変に情緒のあるメロディ、ファンク、といえどもどこか冷たいような、そういう感触はやっぱり独特の、異形のアルバムである。Adrian BelewとかJon HassellとかRobert Palmer(!しかもパーカッションで!)とか色々濃いメンバーが参加しているのだが、何かひとつの壺の中に何もかも入れて、その上でろ過されたような感じの音である。つまり密度は濃いのに、何故かあっさりとしているのである。まあ、ファンキーという言葉から想像される、もしくはアフリカ音楽の要素を取り入れた、という言葉から想像されるよりはもっともっとずっとずっとギクシャクした感じのアルバムではあるが、そのギクシャク感がやはりTalking Headsのある時期までの持ち味だったのだなあ、としみじみ感じる。勿論これ以前もこれ以降も彼等が最高に格好良かったことは変わりないのであるのだが、ある意味のピークはこの作品だったのかも知れないなあ、と今更思ったりした。私は日本盤で持っているのであるが、今野雄二先生37歳当時のライナーが非常に薄味であまり面白くない点が唯一の不満、といえば不満な点であろうか。