Too Strong

そろそろモヤモヤした季節の到来のようである。湿っぽい季節の到来なわけである。

今までは、何だかジメッとして嫌だなあ、とかちょっと昔痛めた足首が気になるなあ、程度だったのだが、今年は以前言及したように、膝が痛い、とか腰が痛い、とか頭が痛い、とか猛烈に季節の変わり目を感じまくって大変に難儀している。ついでに言えば皮膚病の調子も、一進一退を繰り返しており、何だか生きていくのって大変だなあ、と一気に思考が飛躍してしまう、そんな初夏の入りなわけである。

こういうのって、年々辛くなっていくものなのだろうか。それともたまたま今年は私が不調なので、こんなにずのーん、と重くのしかかってくるものなのだろうか。いまいちそれはわからないのだが、湿気が嫌いな私にとっては、そろそろ悩ましい季節の到来、ということだけは確実であろう。

しかしこうやって自分の身体との折り合いをつけるだけでもなかなかに大変だというのに、使えない連中とか、そういう外因的な要素でもって更に面倒にさせられると、本当殺したくなりますよね。

とか物騒なことを言いつつThe Sea And Cakeの「Everybody」を聴く。ふと思い出したようにアルバムを届けてくれる彼等の新作である。元Shrimp Boatに元CocktailsにTortoiseのメンバー、といういわばオールスターバンドなのだよな、ふと思えば。私は彼等が新作を出すたびにドンドン好きになっていっているのである。前作も死ぬほど聴きまくったが、今作も鬼ローテーション間違いなしの大傑作である。ポストロックだの、シカゴだの、そういうキーワードは聞き飽きた昨今であるが、そういった地平から離れて、しっかりと円熟した、それでいて躍動感ある初々しい音楽が詰まっているのだからたまらない。Sam Prekopの優しげな、儚げなメロディをほよん、と唄う感じは全く変わらないのに、どんどん音楽的に若返っていっているように感じられる。Brian Paulsonがレコーディングを担当していたり、ペダルスティール奏者がゲストで参加したり、という新機軸も影響しているのかも知れないが、やっぱり何度聴いてもどこか新鮮で、それでいて今までとは変わらない核の部分もしっかりと感じられる、水面下で足を激しく動かしながらも優美に泳ぐ白鳥のようなアルバム。ギターのアレンジがこんなに繊細なバンドだったんだっけ・・・?と思わず気づかされたりもする。このままどんどんやり続けてもらいたいものである。