Pardon

実は昨日から今日にかけて、超強行スケジュールで温泉旅館に行っていたのである。たまの連休だし、休み気分を盛り上げるためにはなかなか良いアイディアだったのではないだろうか、とか書いているが私の企画・立案でないことは私のことをよく知る方々には明らかであろう。

という感じの強行温泉(仕事終わってないけど無理やり19時半に退勤→1時間程度の温泉旅館に滑り込み→旅館内の居酒屋風の店で飲む喰らう→風呂→ウィスキー→寝る)だったものの、これがなかなか良かった。

と冷静に書いているが、今日のチェックアウト時には「もうここから一生出ない!二度と戻らない!」的な、駄々っ子(ここで「ダダっ子」と変換される我がPCは果たしてどうかと思うが、私のことを知り抜いている、と言うこともできる)的な思いと共にいた私であるが、まあ要するに逃避したかったのであろう。このまま逃げ続ける人生でも別に構わない、と思えるほど良い旅館経験であった。

連泊したかったものである。しかしなかなかそうは行かぬ事情もあるのである、大人には。それはそれとして旅館のエレベーターの中に朝食バイキングの宣伝のポスターが貼ってあったのだが、ワープロ打ちの文ででっかく「元気が一番む!」と書いてあった。どういう打ち間違いをしたのであろうか「む」。そして何故誰も指摘せぬまま貼られ続けているのだろうか「む」。

「Pop Romantique」というコンピを聴いていた。1999年にEmperor Nortonレーベルからリリースされた、フレンチポップカヴァー集である。中にはフレンチポップの曲、というよりは仏語でカヴァーしてみました、というような曲やオリジナル仏語曲をやっている連中もいて、なかなか一筋縄ではいかない1枚である。確か当時トラットリアからも日本盤ボートラ付き(カジヒデキとかだったっけ・・・?)でリリースされていたような。時期とレーベル、そしてトラットリア、と並べてみると当時のオシャレさんというか『米国音楽』とか好きで読んでいたような方にはたまらない1枚だったのではないだろうか。今ではそういう風に盛り上がる要素も稀有な、嫌な時代になってしまったものであるが。しかしこのアルバムはとてもクオリティが高いので今聴いても全く関係なく楽しく盛り上がれる。まあLloyd ColeにLuna、Magnetic FieldsにIvy、と来たら悪いわけがない。加えてGodzukiにHeavenly、AirThe Apples In Stereo、John Wesley Harding、と実に渋い、そして洒落た連中ががっつり参加していて面白い。個人的にはBob Dylanを仏語でカヴァー、というフレンチポップでも何でもないLloyd Coleとか、「恋するノンノン人形」をヘロヘロ且つ疾走感あるカヴァーで聴かせるLunaがやっぱりお気に入り。HeavenlyのFrance Gallカヴァーもオリジナルアルバム収録曲ではあるものの燃える。何か輸入盤店がきちんと先走って紹介できて、そしてそれを気に入って買ってくれる方々が沢山いた、幸福な、失われてしまった時代を思い出してちょっとセンチになったりする(当時店員だったもので)。まあ、そんなジジイのノスタルジイには関係なく、素晴らしい1枚。