Brianstorm

色々なものにTPOがあるように、本とか音楽にももしかしたらTPOがあるのかも知れない、と今更ながら気づいた。

何で気づいたかというと、我が職場では朝に読書の時間がある。その時間に私は普通に色々と家からまだ読んでない本だったり、また読みたい本だったりを持ってきて読んでいたわけであるが、流石に朝っぱらから『裸のランチ』とか読んで、ちょっとそりゃないか、と思ったわけである。朝から「コック」だの「射出」だの「注射」だの「ジャンキー」だのいう単語が夥しく頻出する本読むのもどうか、と。

と同時にこの間車の中でCDを聴こうと思ったら、部屋からたまたま一掴みで持って来たCDがNocturnal Emissionsの再発2種とかThrobbing Gristleの新作とかStars Of The Lidという、死を覚悟しなければいけないほど運転には向かない音楽ばっかりで、ちょっとそれはどうか、と。

まあ、本とかCDのTPOというよりは、あまり自宅での時間が取れないからこのような事態が起きるのかも知れない。自宅で読んだり、聴いたりするぶんには何ら問題ない、寧ろ最高な本だったりCDだったりするわけである。そしてこういう時に、もしかしたら自分は忙しいのかも知れない、とふと悟るのである。あくまで外因的なのがポイントなのであるが。

自分では意識していないのだが、もしかしたら今私は意外に忙しいのだろうか。明らかに自分の中の何かが麻痺しているのかも知れなくて怖いのだが。しかしArctic Monkeysの「Favourite Worst Nightmare」は車で聴くのになかなか適している。あら、もう出たの?という勢いのセカンドである。このリリースペースは一体何なんだろうか。昨年ファースト出してからミニアルバム、というかマキシみたいなもの出して、映像作品だして、新曲のシングルだして、もうセカンドである。凄いな。この間ファーストを久々に聴いてみたら、いまだにそのソリッドなギターロックぶりが色あせずに、寧ろより渋く光沢を増しているような印象を受けて驚いた。そう、実は彼等は結構渋い。その渋さはこのセカンドでも変わらない。何でもプロデュースにはこの間のシングルもクールでストイックなヒップハウスでめちゃくちゃかっこよかったSimian Mobile Discoの奴が当たっているそうだが、大勢に影響はない。そういえばメンバーも1人変わっていたがやはり大勢に影響はない。ソリッドでガリガリなギター中心のナンバーがぎゅっと詰まっている。まあ、以前よりもヴォーカルがちょっと表情豊かになったかもな、とかリズム隊がより逞しくなったな、という気もするのだが、あくまでクールである。しっかりと勢いのあるナンバーも結構入っていて、かなり充実のセカンドアルバムである。しかしひとつだけ心配なのは、その「渋さ」が「地味さ」に変わってしまう時が来るのだろうか、ということである。メロディも結構噛み締めないとならない曲が増えてきており、それがまた凄く良いのだけれども、ちょっと派手さが足りない、と感じる人もいるかも知れない。まあ彼等の場合多分変な打ち込みとかに走らずにギュンギュン行ってくれるだろうから問題はないのだけれども。